同じサービス名で別の法人が警告されている

最終更新:2026年10月7日

「Vantage 詐欺」という検索で、このサイトに人が来ていました。検索パフォーマンスを見ると、「Vantage 詐欺」「Vantage Pro 詐欺」「Vantage Trading 金融庁」と、似ているようで少しずつ違う言葉が並んでいます。同じ会社の話をしているのか、確かめたくなりました。

金融庁が公表している「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」を読み直しました。2026年9月24日時点の最新版は令和8年8月27日更新で、全1,088行、うち所在地の区分が「海外」のものが433件あります。読んでいて手が止まったのは、この一覧が単なる名簿ではなく、業者どうしのつながりを書いていることでした。

金融庁の一覧には、業者どうしのつながりが書いてあります

備考欄に、こういう一文が繰り返し出てきます。

当該業者との関係性は不明であるが、警告している以下の業者については一部の所在地が同様もしくは類似している。

そしてそのあとに、別の業者名と警告日が並びます。区分が「海外」の433件のうち、119件にこの形の参照が書かれていました。参照の総数は、一覧に実在する業者名に限って数えて439本です。

気をつけたいのは、金融庁自身が「関係性は不明であるが」と先に断っていることです。同じ住所に登記されていることと、同じ人が運営していることは別の話です。この記事でも、そこから先には踏み込みません。

同じサービス名で、別の法人が警告されています

参照の種類は2つに分かれます。所在地が同じか似ているという指摘と、サービス名が似ているという指摘です。後者のほうが、読者にとっては切実だと思いました。名前で選ぶからです。

海外区分のうち、サービス名の類似が書かれていたのは32件でした。そのうち、日本でよく知られた名前が出てくるものを抜き出します。

警告を受けた法人 警告年月 その法人が使っていたサービス名 金融庁が「類似」として挙げた相手
TI Securities Limited 令和元年8月 TITAN FX、Titan FX、タイタンFX Titan FX Limited
XM WebTrader 令和6年9月 XM WebTrader Tradexfin Limited(サービス名「XMTRADING、XMTrading」)
Big Boss Holdings Company Limited 令和5年6月 BigBoss Big Boss Financial Limited
GT Global Ltd 令和7年11月 FXGT.com 360 Degrees Markets Ltd.(サービス名「FXGT」)
Formula Investment House Ltd. 平成29年6月 iFOREX iFOREX Co.,Ltd.
MYFX Markets Pty Ltd ほか2社 令和8年7月 MYFX Markets AXIS INC. / Neon Fx
IS6 Technologies Ltd 令和8年7月 IS6FX 19社(うしろで触れます)

いちばん驚いたのはTitanFXでした。令和元年8月に「TITAN FX、Titan FX、タイタンFX」というサービス名で警告を受けたのは TI Securities Limited で、私が調べている Titan FX Limited とは別の法人です。金融庁は両方を一覧に載せています。

XMTradingも同じ形です。令和6年9月に「XM WebTrader」という名前で警告された業者があり、その備考欄に、令和2年8月に警告済みの Tradexfin Limited のサービス名と類似している、と書かれています。Tradexfin Limited は、XMTradingを運営している法人です。

FXGTは少し違う読み方が要ります。いま「FXGT.com」を提供している GT Global Ltd は令和7年11月の警告ですが、その5年以上前、令和2年6月に「FXGT」というサービス名で 360 Degrees Markets Ltd. が警告を受けています。

Vantageは、4回にわたって別の法人が警告されています

検索語が散らばっていた理由は、ここにありました。「Vantage」を含む名前で、4回の警告が出ています。

警告年月 法人名 サービス名・サイト名 備考欄の記載
令和5年3月 Vantage Global Limited Vantage —
令和6年6月 Vantage Prime Trading Limited Vantage Trading Vantage Global Limited のサービス名称と類似
令和7年4月 Vantage Prime Trading Limited Vantage Media(サイト名) 令和6年6月21日付で警告済み
令和8年8月 Vantage Trading Ltd. Vantage Trading、ヴァンテージ 上の2法人のサービス名称と類似

「Vantage 詐欺」で検索している人が本当に知りたいのは、自分が勧誘されたVantageがどれなのか、だと思います。法人名が違えば、規約も、資金の預け先も、連絡先も違います。

私がブローカー調査で読んだVantageの契約先法人は、利用規約に書かれている Vantage Prime Trading Ltd.(セントルシア)です。金融庁が令和6年6月に警告した Vantage Prime Trading Limited と、名前が一致します。一覧に載っていること自体は、海外FX業者が日本居住者を勧誘していれば起きることで、違法性が確定したという意味ではありません。この点は金融庁の警告一覧のページに詳しく書いています。

所在地でつながる群:いちばん大きいのは48社

もうひとつの参照、所在地のほうをつないでいくと、塊ができます。参照を線として結び、つながっているものをひとまとまりに数えると、海外区分のなかに268社・439本の線があり、いちばん大きな塊は48社でした。次が33社、その次が12社です。

48社の塊には、IS6 Technologies Ltd(IS6FX)が入っています。この法人の備考欄だけで19社が挙げられていて、一覧のなかでいちばん参照が多い行です。Capital Crest Ltd(サービス名 Mirrox)、Dynamix Ltd(BXBマーケット)、Profit Pulse Ltd(Skadeva)、DAM Group Ltd(DAM FOREX)などが同じ塊にいます。

同じ48社の塊には、HF Markets (SV) Ltd と Milton Markets Ltd. も入っています。両者をつないでいるのは SimpleFX Ltd. の備考欄で、この2社と所在地が同一だと書かれています。

33社の塊には Land Prime Ltd. が、7社の塊には VT Markets と WeTrade International Ltd. が入っています。後者をつないでいるのは bitcastle LLC(令和7年4月警告)の備考欄です。

私が調べている30社のうち、11社がこの参照に出てきます(2026年9月24日時点)

調査している30社の契約先法人名と、参照に出てくる業者名を突き合わせました。完全に一致したのが9社、一部一致が2社です。

記事 契約先法人 参照の内容
IS6FX IS6 Technologies Ltd 備考欄に19社。48社の塊の中心
DecodeFX Decode Global Limited Gleneagle Securities・ThreeTrader Global Limited・ACY Capital Australia・Performance Ronnaru と所在地が同様もしくは酷似
ThreeTrader ThreeTrader Global Limited 自分の備考欄には記載なし。DecodeFXの欄から挙げられている側
XS.com XS Ltd Tradexfin Limited(XMTradingの運営法人)・Nymstar Limited と所在地が同様
HFM HF Markets (SV) Ltd TCG holdings Ltd. と所在地が酷似。SimpleFX・Milton Marketsの欄からも挙げられている
LAND-FX Land Prime Ltd. JDHY Limited・Deal Matrix Limited・坂井田有限公司と同じ33社の塊
FXGT GT Global Ltd 360 Degrees Markets Ltd. とサービス名が類似。Errante Securities と所在地が同様もしくは酷似
iFOREX Formula Investment House Ltd. iFOREX Co.,Ltd. と名称が類似
TitanFX Titan FX Limited TI Securities Limited の欄から挙げられている側
VT Markets VT Markets Limited bitcastle LLC の欄から挙げられている側
WeTrade WeTrade International LLC bitcastle LLC の欄が挙げているのは WeTrade International Ltd.。LLCとLtd.で表記が違います

最後の行は、この記事でいちばん気をつけたところです。私が規約で読んだ契約先は WeTrade International LLC、金融庁が令和5年1月に警告したのは WeTrade International Ltd. です。同じ会社かどうかは、この一覧からは分かりません。

2026年9月27日に全1,159行で読み直しました:11社から19社に増えました

ここまでの集計は令和8年8月27日更新版・全1,088行で作りました。2026年9月27日、令和8年9月25日更新版・全1,159行で読み直しました。1か月で71行増えています。

やり方も1つ変えました。前は所在地とサービス名の参照を数えていました。今回は30社の掲載名と日本居住者向けの契約先法人名を、全1,159行の備考欄すべてに当てて全文検索しています。自社の行がヒットした分は除いています。

結果、11社から19社になりました。増えた8社です。

記事 備考に出てくる名前 名指ししている行(掲載時期) 参照の内容
Axi AxiTrader Limited IS6 Technologies Ltd(令和8年7月)/Blue Dragon LLC(令和7年1月)/JDR Securities Limited(令和7年1月) 所在地が同様もしくは酷似
Exness Nymstar Limited Smarttool Trading SC Limited(令和8年1月)/Trinota Markets (Global) Limited(令和7年1月)/XS Ltd(令和6年9月) 所在地が同様もしくは酷似
XMTrading Tradexfin Limited 上と同じ3行 所在地が同様もしくは酷似
Milton Markets Milton Markets Ltd. SimpleFX Ltd.(平成30年5月) 所在地が同一
IC Markets International Capital Markets Pty Ltd 同社の行そのもの(平成26年6月) サービス名が「IC Markets」。いまの掲載名 Capital Point Trading Ltd とは別の行です
MYFX Markets MYFX Markets(サービス名) AXIS INC.(令和2年1月) サービス名が「MYFX Markets」
FXDD FXDD Malta Limited/FXDD Trading, LTD 8行(平成25年〜平成30年) 口座開設先として名指し。次の節で書きます
AXIORY Axiory Global Ltd. 株式会社ジパング(平成30年6月) 口座開設先として名指し。次の節で書きます

Smarttool Trading SC Limited(令和8年1月)は、前回の集計には無かった行です。この行の備考が、XS Ltd・Nymstar Limited・Tradexfin Limitedを続けて挙げています。

つまりXS.com・Exness・XMTradingの掲載名が、同じ所在地のまとまりに入っているということです。Trinota Markets (Global) Limited(令和7年1月)の備考も同じ3つを並べています。

念のため繰り返します。この2つの行はどちらも「当該業者との関係性は不明であるが」と前置きしています。書かれているのは住所が同様だったということだけです。

3つめの型:顧客に口座を開かせていた業者が、その開設先を名指ししています

ここまで数えてきた参照は、所在地とサービス名の2種類でした。全文検索にしたことで、3つめの型が出てきました。

運用を一任する契約や情報商材を売って警告された業者の備考が、その顧客に口座を開かせていた先として、海外業者の名前を挙げています。該当したのは10行、名前が出てくる調査対象は6社です。

名指ししている業者(警告時期) 区分 備考に出てくる名前
株式会社ジパング(平成30年6月) 国内 FXDD Trading, LTD/Axiory Global Ltd./Titan FX Limited
株式会社Money Solution(平成30年8月) 国内 FXDD(口座開設先として紹介しているとの情報が寄せられている)
Premium Trading Services Inc.(平成27年5月) 国内 FXDD Malta Limited/International Capital Markets Pty Ltd
Solid-Life Ltd.(平成27年5月) 海外 FXDD Malta Limited/International Capital Markets Pty Ltd
坂井田有限公司(平成27年5月) 海外 International Capital Markets Pty Ltd/Land Prime Ltd.
JDHY Limited(平成27年5月) 海外 Trading Point Financial Instruments Ltd./Land Prime Ltd.
TT Web Services Ltd.(平成26年6月) 海外 FXDD Malta Limited(媒介の勧誘を行っていた)
Fairness Limited(平成26年7月) 海外 FXDD社口座(PAMM口座の説明の中で)
JUMBO FIRST INVESTMENT LIMITED(平成26年5月) 海外 FXDD社の口座(同じくPAMM口座)
IDSA Investment Ltd.(平成25年3月) 海外 FXDD Malta Limitedに口座を開設させ、投資運用を行うとしていた

10行のうち8行がFXDDの名前を挙げています。平成25年から平成30年にかけて、PAMM口座やEAの販売と組み合わせた勧誘が続いていた時期の記録です。

ここがいちばん誤読しやすいところだと思いました。書かれているのは、勧誘していた側がその名前を口座開設先として使っていた、ということです。海外業者がその勧誘に関与していた、とは書かれていません。私も書きません。

名前も当時のものです。FXDD Malta Limitedは平成22年12月、FXDD Trading, LTDは平成28年3月の掲載で、いまFXDDで日本居住者が契約する相手と同じかどうかは、この一覧からは分かりません。

JDHY Limitedが挙げているTrading Point Financial Instruments Ltd.も同じです。これはXMTradingのキプロス法人で、日本居住者の契約先であるTradexfin Limitedとは別の法人です。

それから、年を見てください。新しいものは平成30年の2行だけで、残る8行は平成25年から27年の記録です。一覧は古い警告も消さずに残す資料なので、いまの話と混ざりやすいところです。

一覧に名前が無い業者は、別のページで追いかけています

ここで扱っているのは、一覧に載っている名前どうしのつながりです。逆に一覧を引いても出てこない業者もあります。MajestyFX・ZSXTrade・Calvorin Markets・Vanado Trade の4社は、金融庁の一覧・公開ページ・利用規約・契約先法人の4点で追いかけて、契約先の法人名が確認できない4社にまとめました。

この一覧の読み方

誤解されやすいところを3つ書いておきます。

  • 載っていること自体は、違法性が確定したという意味ではありません。金融庁が公表しているのは、無登録で勧誘を行っていたとして警告書を出した相手の一覧です。取引条件の評価は一切していません
  • 「関係性は不明であるが」と書いているのは金融庁です。同じ住所に登記されていることと、同じ人が動かしていることは別の話です。この記事も、そこから先には進みません
  • 載っていない=安全、でもありません。検索でこのサイトに届いている業者名のうち、zsxtrade・majestyfx ltd・calvorin markets・vanado trade などは、2026-09-24時点の一覧に見当たりませんでした

それでも、この一覧には使い道があります。手元にあるサービス名と法人名を、ここで引いてみることです。名前が同じでも法人が違えば、規約も資金の預け先も違います。

調べ方

金融庁のHTML版を全文読み、1,088行から、備考欄に他の業者への参照がある行を取り出しました。参照先は一覧に業者名として実在する行だけを残しています。商品名や「当該ファンド」のような語は除きました。

表記のゆれ(全角と半角の括弧、箇条書き記号、日付が名前の前に来る書き方)で取りこぼしが出たので、括弧の種類を問わず拾い直しています。抽出した119行は控えを取ってあり、いつでも原文と突き合わせられます。

出典

この記事は2026-09-24時点の一覧をもとにしています。金融庁の一覧は随時更新されるため、3か月に一度読み直し、変更があればここを直して更新履歴に残します。