最終更新:2026年10月7日

「ロスカットは20%」と書いてある海外FXの比較記事は多いのですが、同じ会社の中で、口座タイプによって0%から50%まで違うことがあります。

ここでは、執筆時点で調べた30社について、強制決済とレバレッジにかかわる数字を公式ページと利用規約の両方から並べています。取得元を添えてあるので、原文で確かめられます。

このページは強制決済の水準を項目ごとに並べています。マージンコールから負残高・不足額の請求までを起きる順に並べたものはロスカットされたあと、口座では何が順番に起きるかにあります。

ストップアウト水準:同じ「20%」でも、口座タイプで0%から50%まで違います

証拠金維持率がいくつになったら強制決済されるか。水準を公開しているのは、執筆時点で調べた30社のうち25社でした。いちばん多いのは20%ですが、0%の社も50%の社もあります。

同じ会社でも、口座タイプで水準が変わる社が4社あります。「ロスカット20%」と覚えていると、別の口座タイプに移したときに前提が変わります。

数字より効く条項もありました。「当社が書面で変更しない限り」と添えてある社です。公開されている数字は、会社の側から動かせるものとして書かれています。一覧は30社のストップアウト水準に。

マージンコール:水準を公開しているのは16社。通知しないと書いている社もあります

ストップアウトの手前で届く警告です。水準を公開しているのは16社でした。残りは数字が見当たりません。

読んでいて手が止まったのは、マージンコールの通知そのものを行わないと書いている社があったことです。警告なしでストップアウトまで進む、という前提になります。この2つは別の段階なので、分けて見てください。

レバレッジが下がる条件:自動で下がる仕組みを持つ社が14社あります

「最大1000倍」は、いつでも1000倍という意味ではありません。残高が増えると、あるいはロット数が増えると、段階的に下がる仕組みを持つ社が14社ありました。気づかずにロットを上げると、必要証拠金が急に増えます。

HFM の条項が具体的です。公開ページと別の文書で数字が違う社もありました。「過大なレバレッジの使用」を禁止行為として挙げている社もあります。段階表は30社の最大レバレッジと、下がる条件に並べました。

ゴールドは別枠です。FXの「最大◯倍」とは違う上限を貴金属に置いている社があるので、ゴールドの取引条件のほうも見てください。

ゼロカット:規約では「損失を消す」とは書かれていません

ロスカットが間に合わず、残高がマイナスになったときの話です。規約での書かれ方は「責任の上限」で、損失を消すとは書かれていません。追証を求めない、という形で書く社が大半でした。

見ておくべきなのは、いつ補填されるかです。期間を書いているのは1社だけでした。口座ごとに見るのか、同じ名義の全口座をまとめて見るのかも、社によって違います。

そして補填の原資を「あなたの他の口座」と定めている社があります。別の口座に残していた資金が、そちらに回る形です。条文は30社の負残高保護に並べました。

ロスカットとゼロカットは、別の段階で起きます

ストップアウトは、証拠金維持率が水準を割ったときに発動します。ゼロカットは、それが間に合わずに残高がマイナスになってからの話です。順番が違うので、同じものとして読むと前提がずれます。

相場が飛んだときに何が起きるかは、価格が飛んだとき、規約はどう書いてあるかに分けました。

ゴールドのロスカット計算機:契約サイズを確認できた9社ぶん

いくら下がったら強制決済されるかを、数字で出せます。使えるのは、契約サイズとストップアウト水準の両方を確認できた9社だけです。残り21社は計算できません。

理由は単純で、契約サイズの単位が書かれていない社があるからです。「100」とだけ書いてあって、100オンスなのか100ドルなのかが読み取れません。計算機はゴールドのロスカット計算機にあります。

この2つを分けて見る理由

証拠金維持率がある水準を割ると通知が来て(マージンコール)、さらに割ると強制的に決済される(ストップアウト)。この2つは別の数字で、片方しか公開していない社があります。

そしてレバレッジは、その計算の入口にあたります。最大レバレッジが下がれば必要証拠金が増え、同じ建玉でも維持率は下がる。「残高が増えたらレバレッジが下がった」という形で、後から効いてくる条件です。

数字より先に見ておくこと

規約を読んでいて手が止まったのは、Axi の Product Schedule でした。ストップアウトは20%と書いてあるのですが、そのすぐ後ろに「当社が書面で変更しない限り」という条件が付いています。

同じ趣旨の条項は Vantage の顧客契約 第2.1項(g) にもあり、レバレッジ構成と証拠金要件を単独かつ絶対的な裁量で変更できると定めています。公開されている数字は、現時点の設定であって、契約上の約束とは限りません。

水準そのものを、あとから変えられると書いている社もあります。DecodeFX の利用規約はマージンコールを100%と定めたうえで、同じ章で「当社の裁量でいつでも変更できる」とし、変更しうる理由を(a)から(e)まで挙げています。うち(c)(d)は顧客側の事情です。

逆に、変更できる場面を限っている社もあります。TitanFX は第24.5条(b)で、不可抗力事象と判断した場合に証拠金要件を引き上げられる、という書き方をしています。裁量の広さは社ごとに違います。

ここで確認しているのは記載の整合性であって、実際に強制決済で損をした人がいるかどうかではありません。調べ方の基準もあわせてご覧ください。

マージンコールの通知そのものを、行わないと書いている社

マージンコールは「通知が来る」前提で語られることが多いのですが、Tradeview のリスク開示は、通知を行わないと書いています。

原文は「Tradeview does not make margin calls via phone, email or other communication means.」です。電話・メール・その他の連絡手段のいずれでもマージンコールをしない、という書き方です。

水準の数字があるかどうかより先に、通知が来る約束になっているかを見るほうが実務的だと思います。通知が来ないなら、維持率を見るのは利用者の側の仕事になります。

執筆時点で調べた30社のうち、通知しないとはっきり書いているのはこの1社でした。ただし残りの29社が「通知する」と約束しているわけではありません。通知について何も書いていない社が大半です。

数字は、利用規約の外に書かれていることがあります

IC Markets のストップアウト水準を、私はしばらく「記載が見当たりません」と書いていました。公開ページにも、84ページある利用規約にも数字がなかったからです。

実際には注文執行方針(Order Execution Policy)の 8.3 に「MetaTrader 4: At Margin Level of less than 50% we will automatically close positions at the current market price」と書いてありました。2026-10-02に直しました。

規約を1本読んで「無い」と判断すると、こうして間違えます。執行方針・証拠金ポリシー・リスク開示まで開かないと、数字の有無は判定できません。このページの「記載が見当たりません」は、そういう限界を抱えた表記です。

関連するページ

各社の調査基準日は、それぞれのブローカー記事に書いてあります。規約は3か月に一度読み直し、変更があればこのページも直します。