最終更新:2026年10月27日
約定や残高がおかしいと思ったとき、どこに、いつまでに言えばいいか。苦情の窓口とは別に、明細への異議の期限があります。
・異議の期限は、BigBossが1日、Land Primeが48営業時間
・会社が答える期限は、2営業日から90営業日まで
・先に切れるのは、こちらの期限です
苦情処理ポリシーを読むと、受領確認や最終回答の日数が書いてあります。安心しかけたところで、顧客契約のほうに別の期限があるのに気づきました。
読んだのは規約アーカイブにある顧客契約39本と、苦情処理ポリシー6本です。条項番号を添えてあります。
結論:確かめられたことと、確かめていないこと
確かめられたこと。明細や約定確認に異議を述べる期限が、短い社では1日でした。期限を過ぎると、記録は確定的で拘束力を持つと書いてあります。
一方で会社が苦情に最終回答する期限は、21営業日や30営業日が並びます。片方は数日、もう片方は1か月。長さが違います。
確かめていないこと。実際に期限内の異議がどう扱われるか、期限後に申し立てたらどうなるかは分かりません。私は申し立てていません。
異議の期限:BigBossが1日、Land Primeが48営業時間
明細や約定確認への異議の期限を置いていたのは、顧客契約39本のうち5社でした。
| 会社 | 条項 | 期限と、過ぎたときの扱い |
|---|---|---|
| BigBoss | 顧客契約 第7条「STATEMENTS AND CONFIRMATION」(17ページ) | 受領後ただちに異議を述べ、送信後1日以内に書面で確認する。しなければ記録は正しいものとみなされ、確定的かつ拘束力を持つ |
| iFOREX | 顧客契約 第11.2条 | 対象の取引から2営業日以内に書面で会社に届いた異議のみ有効 |
| WeTrade | 顧客契約 第14.5条 | 日次・月次の明細は、利用可能になってから2営業日以内に異議がなければあらゆる目的で最終(final for all purposes) |
| MYFX Markets | 顧客契約 第6.14条 | 日次・月次明細の内容に同意しない場合は3営業日以内に連絡。明白な誤りがない限り確定 |
| Land Prime | 顧客同意書(レポートの節) | 電子レポートは執行後48営業時間で最終とみなす。郵送分は消印から7営業日以内にメール・郵便・電話で異議 |
Land Primeの単位に手が止まりました。日ではなく「48営業時間」です。営業日に換算すれば6営業日ですが、1日8時間として数えるかどうかは書かれていません。
BigBossの「ただちに」も曖昧です。ただちに異議を述べ、そのうえで1日以内に書面で確認する、という2段構えになっています。どちらか一方では足りない読み方になります。
残りの社は、明細への異議の期限を顧客契約に置いていません。書いていないことは、いつでも異議を述べられるという意味ではありません。
会社が答える期限は、2営業日から90営業日まで
苦情処理ポリシーを全文保存できたのは6社です。受領確認と最終回答で、別々の日数を置いている社がありました。
| 会社 | 受領確認 | 最終回答 |
|---|---|---|
| XS.com | 2営業日以内に書面で | 21営業日以内。極度に複雑な場合は90営業日まで延長。当局へは受領から1営業日以内に情報提供 |
| Traders Trust | 2営業日以内に書面で | 21営業日以内 |
| IC Markets | 2営業日以内に書面で | 日数の定めが見当たりません |
| iFOREX | 重大な苦情は7営業日以内に受領確認 | 通常の苦情は7営業日以内に解決。重大な苦情は別の手順 |
| MYFX Markets | 記載が見当たりません | 通常3営業日。国内市場に関する苦情は21営業日、国外に関する苦情は30営業日 |
| Vantage Trading | 記載が見当たりません | 受領から21日以内に調査・解決・回答 |
XS.comの90営業日に目が留まりました。営業日で90なら、4か月を超えます。「極度に複雑な苦情の場合」という条件つきですが、上限として書いてあります。
MYFX Marketsの分け方も特徴的です。国内市場に関する苦情は21営業日、国外に関する苦情は30営業日。海外FXの取引は後者にあたると読めます。
IC Marketsは受領確認の期限だけがあって、最終回答の期限がありません。いつまでに答えるかが読み取れない形です。
先に切れるのは、こちらの期限です
2つの表を並べると順番が見えます。こちらが異議を述べる期限は1日から7営業日。会社が最終回答する期限は7営業日から90営業日。
つまり苦情の返事を待っているあいだに、明細への異議の期限は過ぎます。記録が確定したあとに回答が来る、という順番が起こりえます。
できることは2つだと思います。1つは、おかしいと思った時点で日付入りの記録を自分で残すこと。画面の保存とメールです。
もう1つは、苦情の窓口に出すのと同時に、明細への異議も書面で出しておくこと。規約が求めているのは「書面で、期限内に」です。電話だけで足りると書いている社は、調べた範囲ではLand Primeだけでした。
公的な窓口については「出金拒否」「詐欺」と書かれた話を、自分で確かめる方法の「相談できる窓口と、その窓口にできないこと」に書きました。日本の金融ADR(FINMAC)は対象が決まっていて、無登録の海外業者は入りません。
この調査の限界
読んだのは規約アーカイブに全文がある顧客契約39本と、苦情処理ポリシー6本です。執筆時点で調べた30社の全部ではありません。苦情処理ポリシーを公開していても、取得できていない社があります。
実際に期限内の異議がどう扱われるか、期限後の申し立てが受け付けられるかは確認していません。私は申し立てていないからです。確かめたのは、文書にそう書いてあるかどうかだけです。
更新履歴
- 2026-10-27 公開。顧客契約39本から明細への異議の期限5社、苦情処理ポリシー6本から受領確認と最終回答の日数を、条項番号付きで並べました