お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセス|公式の言い方が3日で変わりました

最終更新:2026年10月25日

お名前.com デスクトップクラウドでEAを動かしていた方へ。このページは公式発表だけを日付順に並べたものです。私は利用者ではありません。被害の有無も、会社の対応の良し悪しも判定しません。
・何がいつ起きたか(第1報〜第5報)
・公式の言い方が3日で変わりました
・補償として公表されているもの
・ブローカーの規約ではどうなっているか

EAを動かすためにVPSを借りて、その中にMT4やMT5のログイン情報を置いている人は少なくありません。2026年10月、そのVPSが不正アクセスを受けました。

このサイトには口座に第三者がログインしたら、損失は誰が負うのかというページがあります。30社の規約を読んで作ったものです。そこに無いのが、事実の側でした。何がいつ起きて、会社が何を認めて、何を補償すると言ったのか。

それを公式発表から並べます。発表は10月21日から24日までに5本出ています。読んでいていちばん驚いたのは、同じ会社の発表なのに、3日で言い方が変わっていることでした。

何がいつ起きたか

公式発表に書かれている日付だけを並べます。カッコ内は、その発表が基準にしている時点です。

日付 公表されている内容
10月19日 利用者からの問い合わせを受け、調査に着手
10月20日 一部の顧客のサーバー環境に、第三者による不正なプログラムが設置されていることを確認。新規申込とコントロールパネルを停止
10月21日 4:00 被害拡大防止のため、全プランのサーバーを順次停止。第1報を掲載(10月21日 4:00時点)
10月21日以降 利用者から、取引口座での不正操作の報告を受け付け
10月22日 警察に相談。第2報(10月22日 16:59時点)
10月23日 第3報(10月23日 16:10時点)
10月24日 11:50 第4報。警察へ通信記録などを提出し、刑事捜査を要請
10月24日 第5報(改めてのお願い)

影響の可能性があるサーバーは26,739件と公表されています。これは対象となり得る数で、不正アクセスが確認された件数ではありません。第3報が、その区別を明記しています。

決済情報については、「お客様の決済情報(クレジットカード情報を含む)を本サービスのサーバー上で保持しておりません。」と第2報に書かれています。

公式の言い方が3日で変わりました

ここがこのページでいちばん記録しておく価値があるところだと思います。同じ会社の発表で、情報の扱いについての書き方が段階的に変わっています。原文のまま並べます。

発表 情報についての書き方
第1報
10月21日 4:00
「サーバー内に保管されている情報が閲覧された可能性があります」
「現時点では個人情報の漏えいや悪用は確認されていない」
第3報
10月23日 16:10
「サーバー内に保存されていたお取引口座のログイン情報等が第三者に取得され、不正に利用された可能性があることが分かりました。」
「個別の情報取得および不正利用の有無・範囲については、引き続き調査中です。」
第4報
10月24日 11:50
「お客様の情報が外部に持ち出された事実を確認しております」

「閲覧された可能性」から「持ち出された事実を確認」へ、3日で動いています。調査が進んだのだから当然のことで、私はこの変化を批判しません。記録しておきたいのは、発表の時点によって書いてあることが違うという事実そのものです。

これは読者にとって実務的な意味があります。10月21日の発表を見て「悪用は確認されていないのか」と判断して何もしなかった人は、23日と24日の発表を見ていない可能性があります。第1報だけを読んで安心する作りになっていたわけではありませんが、結果としてそうなりえます。

第4報にはさらに2つ、第1報には無かったことが書かれています。攻撃者とみられる者から金銭の要求を受け、応じない場合は情報を公開すると脅迫されていること。そして国内外70社超の証券・FX会社等の口座への不正操作が続いていることです。

「70社超」という数字は、私が調べている30社より広い範囲です。どの会社かは公表されていません。

補償として公表されているもの

第4報に、補償の方針が書かれました。公表されている範囲をそのまま並べます。金額も条件も、私が計算したものではありません。

項目 公表されている内容
見舞金 現在のサービス利用者全員に、金銭的被害の有無にかかわらず一律5,000円。不正取引の補償とは別
不正取引の補償 不正アクセスに起因すると会社が認めた取引で生じた実現損失(差損や手数料等)
対象外 市場変動による損失、得られたはずの利益、その他の間接的損害
取引所等からの返金があった場合 その額を差し引いた残額を支払う。返金がない場合も、対象となる損失を支払う
二重に受けた場合 同じ損失について取引所と会社の両方から補償を受けた場合などは、返還を求めることがある
申請の方法 申請方法・必要書類・受付期間・支払い時期は11月6日(金)までに案内

読むときに効いてくるのは「実現損失」という言葉だと思います。決済して確定した差損と手数料が対象で、持っていた建玉が不正に閉じられて、そのあと相場が自分に有利に動いた分は「得られたはずの利益」になります。そこは対象外と書かれています。

もう一つは「不正アクセスに起因すると会社が認めた取引」という条件です。認定の基準は、第4報の時点では公表されていません。11月6日までの案内を待つことになります。

サービスの扱い

現行のシステム基盤は、そのまま再開しないと書かれています。セキュリティアーキテクチャを刷新する方針で、影響を受けたシステムはネットワーク接続を停止しています。

Windowsデスクトップ環境の継続を希望する契約者には、独立したクラウド基盤の代替サービスへの移行を案内し、移行後6か月間は無償とされています。顧客の同意なく移行は行わないとも書かれています。

代替サービスの提供時期や申込方法は、10月30日23:59までにメールで通知とされています。

ブローカーの規約ではどうなっているか

ここで、このサイトが先に調べていたことがつながります。

30社の規約を読んだページで確かめたのは、パスワードで実行された取引は、それが不正なものであっても顧客が責任を負うと書かれていることでした。条項に到達できた26社のうち、責任の条項があった25社すべてがそう書いています。会社に通知したあとで顧客の責任が終わると明記していたのは、Tickmill 第6.7条の1社だけでした。

つまり、規約の側とVPS事業者の側は別の話です。

規約の側。ブローカーに対して「パスワードが漏れたのは自分のせいではない」と主張する足場は、規約には用意されていません。25社がそう書いています。

VPS事業者の側。今回は、サーバーを貸していた会社が自分の責任として補償の方針を出しました。規約がどうであれ、原因を作った側が補償することはあります。

この2つを混ぜると判断を間違えます。ブローカーが補償しないことと、VPS事業者が補償しないことは、別々に決まります。今回は後者が補償すると言った、というのが公表されている事実です。

第4報には「取引所等から返金があった場合は、その額を差し引いた残額を支払う」とも書かれています。両方から受け取ることは想定されていません。

利用していた人が公式に求められていること

第3報と第5報に書かれている依頼事項です。私が考えた手順ではなく、公式が求めていることをそのまま並べます。

全員に向けて。端末(PC・スマートフォン等)でウイルス対策ソフトのフルスキャンを実施する。データのバックアップを取得する(ただしバックアップファイルの取り扱いには注意する)。パスワード管理を見直し、多要素認証を有効にする。

取引ツールを使っていた人に向けて。取引口座と取引ツールのパスワードを変更する。変更はFX取引に使っていない端末から行う。

ログイン中の全セッションを切断する。提供事業者の案内に従い、必要に応じて事業者へ依頼する。

身に覚えのない取引がないか、取引履歴と残高を確認する。あれば取引先事業者へ連絡する。

取引先が提供していれば二要素認証を設定する。

サーバー内に保存した認証情報、同じパスワードを使う他サービス、ブラウザ保存のIDやパスワードも変更する。

不正アクセス犯を名乗る者からのメールやメッセージは、URLやファイルを開かず、返信もしない。会社は、メールや電話でパスワード・クレジットカード情報・口座情報を尋ねることはないと明記しています。

問い合わせ窓口は 03-5456-2560(24時間受付、土日祝日を含む)と公表されています。

規約のどこを見ればいいかは口座に第三者がログインしたらに、ほかの型のトラブルはいま起きていることから、規約のどこを見ればいいかにあります。

この記録の限界

私は利用者ではありません。お名前.com デスクトップクラウドの口座を持っておらず、EAもここでは動かしていません。画面も管理画面も見ていません。書いたのは公式発表に載っていることだけです。

被害の有無を判定しません。26,739件という数字は「影響の可能性があるサーバー」で、被害が確認された件数ではありません。会社自身がその区別を書いています。

会社の対応の良し悪しを評価しません。早いとも遅いとも、十分とも不十分とも書きません。いつ何を発表したかを並べるだけです。

補償の条件は確定していません。認定の基準、申請方法、受付期間、支払い時期は、第4報の時点で未公表です。11月6日までに案内されると書かれています。金額や可否を私が約束することはできません。

この件は進行中です。第6報以降が出れば、このページを直して更新履歴に残します。

出典

  • お名前.com「【重要】『お名前.com デスクトップクラウド』への不正アクセスに関するお詫びとお知らせ(第1報)」2026年10月21日 4:00時点
  • GMOインターネットグループ「同(第2報)」2026年10月22日 16:59時点
  • GMOインターネットグループ「同(第3報)」2026年10月23日 16:10時点
  • GMOインターネットグループ「同(第4報)」2026年10月24日 11:50時点
  • GMOインターネットグループ「『お名前.com デスクトップクラウド』ご利用のお客様へ改めてのお願い(第5報)」2026年10月24日

いずれも2026年10月24日に取得しました。引用は原文のままです。

更新履歴

  • 2026-10-24 公開。第1報から第5報までを時系列にまとめた