「スプレッドが狭い」「約定が速い」は、公開されている数字だけでは確かめられません。そこで、規約を読むのとは別に、同じEA(自動売買プログラム)を各ブローカーの口座で動かして測ることにしました。

このページには、その測定に何を使い、どこまでを固定し、何を記録するかを書いてあります。設定も判断基準も、結果が出る前に公開しました。あとから都合よく動かせないようにするためです。

このページの要点

  • 本体はインジケーター。2020〜2026年のゴールド実データで91万回分の仮想エントリーを計算し、「いま入ったら何%届くか」を出す予報パネルです。EA機能は、その確率が自分の口座で再現されるかを確かめるために同梱された検証用のものです。
  • その仕組みを、ブローカーの測定に使います。同じEAを同じ設定で複数の口座に向ければ、再現され方の差が口座環境の差になります。
  • 設定・判断基準・記録項目は、すべて先に固定して公開しています。あとから都合よく変えられないようにするためです。
  • ただし現在はデモ口座1つだけで、比較はまだ始まっていません。リアル口座での並行稼働が3口座以上になってから結果を出します。

EAの販売はしていません。ここに書いてあるのは、測定に使う道具の仕様です。使ってみたいという方は運営者概要のLINEからご連絡ください。

なぜ、人ではなくEAで測るのか

ブローカーを比べるには、物差しを一本に固定する必要があります。人が手で売買すると、同じ日でも押すタイミングが違い、ブローカーの差なのか自分の差なのかが分かりません。

EAは同じ条件が来たときに同じ注文を出します。同じEAを、同じ設定で、同じ期間、複数の口座で並行して走らせれば、出てきた差は口座環境の差です。

動かしているもの

そもそも GOLD FORECAST とは何か

本体はEAではなく、MT4/MT5のインジケーター(予報パネル)です。2020年から2026年のゴールド実データに対して5分足ごとの仮想エントリーを917,136回実行し、「今のような相場状況で入ったら、+3ドル/+5ドル/+7ドル/+10ドルに何%届いたか」を、買い・売り別に画面に出します。

予想ではなく、過去の実測値です。「上昇トレンドだから買い」と思っていたら、実測では売りのほうが有利だった、という場面を数字で見つけるための道具です。

その91万回の実測から、特に成績のよかった値動きのパターンを「型」として抜き出しています。

狙う場面 実測の勝率
① 二の関 逆フィボ61.8%への「2回目のタッチ」 78.1%
② 凱旋 一度奪われた基準線の「リテスト」 83.6%
③ 一番押し・一番戻し 伸びた波の「最初の押し目」(順フィボ61.8%) 79%

いずれも利確+3ドル・コスト込み・2020〜2026年の過去データでの実測値です。後述する私の測定設定では型③の利確を5.0ドルにしているため、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。将来の成績を保証するものでもありません。

EAは、もともと「確かめるため」の機能です

ここが大事なところです。GOLD FORECAST のEA機能は、売るための自動売買プログラムとして作られたものではありません。「勝率78〜84%と言われても、自分の口座で本当にそうなるのか」を確かめるための検証機能として同梱されたものです。ソース上の項目名も「自動売買(検証用)」で、初期設定はOFFです。

だからこのEAは、そのままブローカーの測定に使えます。元々「パネルが出している確率が、実際の口座で再現されるか」を見るための仕組みだからです。同じ仕組みを複数の口座に向ければ、再現され方の差が口座環境の差になります。

GOLD FORECAST v5.3 ― 最高設定

v5.3では入り方が5つの型に拡張され、どの型を、どの時間に動かすかを指定できます。私の測定では、次の設定に固定しています。

項目 設定
自動注文方式 指値
型② 凱旋 ON(利確3.0ドル/損切11.0ドル)
型③ 一番押し・一番戻し ON(利確5.0ドル/損切13.0ドル)
型① 二の関/型④ 逆行乗り/型⑤ 続伸 OFF
稼働する時間帯 日本時間 9:00〜15:00、22:00〜24:00(開始1時間は入らない)
一日の目標利益 1,000円
ロット 0.01 固定

利確幅より損切り幅のほうが大きい設計です。だから勝率が高くても損益はマイナスになり得ます。この構造は先に知っておく必要があります。

この最高設定は、EAの初期設定ではありません。EAの出荷時は自動売買そのものがOFFで、型①②③がON、稼働時間の指定もOFF(東京・ロンドン・NYすべて稼働)です。上の設定は、下記の検証を経て意図的に変更したものです。

この設定をどう選んだか

2026年6月17日から8月21日までの48営業日・XAUUSD 1分足65,513本に対して、型の組み合わせ15通り × 時間の絞り方10通り × 一日の目標利益4通り=600通りを計算しました。そこから「スプレッド0.25ドルでも0.30ドルでもプラス」「期間の前半でも後半でもプラス」という条件で55通りに絞っています。

なぜこの時間帯なのか

すべての型を全時間帯で動かした場合の、時間帯別の実測です(48営業日)。

時間帯(日本時間) 回数 勝率 損益
東京(8〜15時) 200回 78.0% +4,343円
ロンドン(15〜21時) 168回 72.0% −13,943円
NY前半(21〜24時) 122回 71.3% −15,121円
深夜NY(0時〜朝) 73回 72.6% −4,151円

プラスなのは東京だけでした。そしてもう一つ、時間帯をまたいで共通する負け方がありました。

セッションが切り替わった直後の1時間だけで、93回・−27,060円。動きが出た直後に入って、そのまま逆に走られる。この負け方が繰り返されていました。

NY前半は全体では−15,121円ですが、そのうち開始1時間(21〜22時)を外すと残りは生きます。最高設定が「22:00〜24:00」という半端な区切りになっているのはこのためです。東京も同じ理由で8時ではなく9時からです。

なぜこの型なのか

回数 勝率 損益
型① 二の関 219回 76.3% −15,595円
型② 凱旋 160回 76.2% −8,810円
型③ 一番押し 184回 69.6% −4,467円

全時間で回すと3つともマイナスです。つまり、この48営業日で問題だったのは型そのものではなく、どの時間に動かすかのほうでした。

それを裏付ける数字があります。切ったはずの型①も、東京時間だけで見れば 76回・勝率82.9%・+4,845円 でした。型が悪いのではなく、時間帯で別物になるということです。

1段ずつ削った結果

上の実測に基づいて、期待値の低いところを順に使わなくしていった結果です。

段階 取引数 損益 PF 最大DD
フル稼働のまま 563回 −28,873円 0.89 43,688円
+ セッション開始1時間を停止 489回 −11,416円 0.95 36,456円
+ 型①を停止 294回 −1,108円 0.99 27,906円
+ ロンドンと深夜を停止 172回 +3,611円 1.04 18,515円
+ 一日の目標利益 1,000円 113回 +11,155円 1.24 8,926円

損益だけでなく、PFと最大ドローダウンも同じ方向に動いています。ここが重要です。損益だけが伸びてPFやDDが悪化していれば、たまたま利益が出る条件を拾っただけです。三つが揃って改善しているので、削ったことに意味があったと言えます。

ただし限界も書いておきます。ロンドンの168回は合計−13,943円でしたが、時間帯によっては取引が数回しかない場所もあり、断定できるほどのデータ量ではありません。今回OFFにした型や時間帯が、永久に悪いという意味でもありません。

注目すべきは、金額1位の設定を採用しなかったことです。

金額1位 採用した設定
損益 +12,964円 +11,155円
前半(6/17〜7/19) +2,384円 +5,518円
後半(7/20〜8/21) +10,580円 +5,636円
最大ドローダウン 13,633円 8,926円

金額1位は後半に偏っていました。たまたま後半の相場に合っていただけ、という可能性が消せません。採用したほうは前半と後半でほぼ同じだけ稼ぎ、沈み方も浅い。金額の1位を採らなかったのは、この差です。

なお、新しいロジックは1つも足していません。期待値の低いところを使わないようにしただけで、取引回数は563回から113回へ5分の1以下になっています。

測定器の本体 ― 影武者EA

ここが私の実測の中心です。

通常のEAでは、止めている型や動かしていない時間帯は約定履歴に残りません。そのため「この型は負けているから外そう」という判断はできても、「止めているこの型は、実は勝てていたかもしれない」を確かめる方法がありません。削る判断はできて、足す判断ができない。これでは設定は良くなるのではなく、痩せていきます。

そこで、注文を出さないEAを別チャートで並行稼働させています。GOLDFORECAST_v5.3_SHADOW、通称「影武者EA」です。

注文は、物理的に出せません

設定でOFFにしてあるのではありません。発注に使う命令そのものが、コンパイルの段階で「何もしない関数」に置き換えられています。

本来の命令 影武者での動作
新規注文 常に −1(失敗)を返すだけ
決済 常に false(失敗)
注文の削除 常に false(失敗)
注文の変更 常に false(失敗)
プッシュ通知・メール・アラート・サウンド 何もしない

ここが重要なところです。実行時のフラグ判定ではなく、コンパイル前の置き換えです。プログラム中のどこに発注命令が書かれていても、コンパイルされた時点ですべて「失敗を返すだけの関数」に変わっています。条件分岐を通り抜けて注文が飛ぶ、という経路が存在しません。

設定を間違えても、本番と同じ口座の別チャートで動かしても、注文は出ようがありません。実口座で検証用のプログラムを動かす以上、ここは念入りにしてあります。

150通りの内訳

150通りは型4種のすべての組み合わせ(2⁴−1=15通り)× 時間の絞り方10通りです。「型①だけ」「型②+型③」「型①+②+③+⑤」といった、1つも選ばない場合を除く全パターンを網羅しています。恣意的に選んだ150個ではありません。

150通りを、毎ティック同時に走らせる

影武者EAは型の組み合わせ15通り × 時間の絞り方10通り=150通りを、毎ティック同時に仮想で転がして日別の損益を記録し続けます。連敗ストップ・同時保有の上限・一日の目標利益で止まる仕組みは、150通りそれぞれに別々に持たせています。共有すると数字が狂うためです。

判定のロジックは本体のものをそのまま使っています。同じ判定を2か所に書くと、片方を直し忘れた瞬間に静かに食い違い始めるからです。

型④ 逆行乗りは指値では成立しない型のため、150通りの対象外です。回しているのは型①②③⑤の4種です。

何が記録されるか

取引1件ごとの記録(32列)

分類 記録される項目
取引そのもの 日付/エントリー時刻/決済時刻/保有分/型/方向/ロット/IN価格/OUT価格/損益/ドル幅/勝敗/決済理由
時間の軸 曜日/時/時間帯(東京・ロンドン・NY前半・深夜NY)/週/月
そのときの自分の状態 その型の直前連敗/直前連勝/当日その型で何回目/当日通算何回目/当日ここまでの損益/前の取引からの経過分
そのときの相場 ATR/荒さ(1静か〜4荒い)/直前30分の値幅/直前60分の値幅/当日レンジ内の位置/始値からの差/直前15分の方向

「当日レンジ内の位置」は、エントリーした時点までの高値安値で計算しています。1日全体の高値安値を使うと、まだ起きていないことを見てしまうためです。

EA側に入っている安全装置

測定結果を読むときに、この挙動を知っておく必要があります。いずれも実装で確認したものです。

仕組み 動作
損切り 取引ごとに必ず設定(型②は11.0ドル、型③は13.0ドル)
連敗ストップ 型②は1敗で360分停止(1敗直後の勝率が29%という実測に基づく)/型③は2連敗で停止
判定切替で全決済 相場の方向判定が変わった時点で、保有中のポジションを撤退させる
一日の目標利益 その日の確定利益が1,000円に達したら、新規エントリーを停止
同時保有の上限 型ごとに1つ、全体で3つまで
切替前の自動停止 マーケット切替の30分前から新規を止める
稼働時間外 置いてある指値は取り消す。保有中のポジションはそのまま(TP/SLに任せる)

「勝っている日ほど早く止まる」作りです。一日の目標利益に達した時点で、その日はもう入りません。実測値を読むときは、この打ち切りが入っていることを前提にしてください。

判断のほうも、先に固定してあります

数字が見えるようになると、今度は毎日いじりたくなります。そこで手順を先に決めて動かせないようにしてあります。

設定を変える基準(0.01ロット・資金1万円のとき)

見る数字 超えたら
1日の損益 −4,000円 その日の取引を確認する
2営業日の合計 −7,500円 設定を変えるべきか考える
直近のピークからの下げ −9,500円 設定を組み直すか、稼働を続けるか決める

ロットを変えるときは、この3つの数字も同じ倍率で動かします。

ただし自動売買なので、線を超えたその時点で私が気づくとは限りません。私が画面を見ていない時間帯に超えることがあります。その場合は、気づいた時点での確認になります。

実際に線を超えたかどうかは、運用記録に照合結果を載せています。

乗り換えの条件

毎日、150通りを5つの条件でふるいにかけます。全期間がプラス/直近20営業日もプラス/直近10営業日もプラス/取引回数が一定以上/最大ドローダウンが線の内側。通ったものを4つの順位で100点満点に採点し、1位をその日の推奨として出します。

推奨が今と違っていても、その日には変えません。同じ推奨が5営業日続き、かつ点差が5点以上ある。この2つが同時にそろって初めて候補になります。実際に設定を変えるのは、原則3か月ごとの定期見直しのときだけです。

わざと重くしてあります。48営業日のデータで「直近◯日でいちばん良かった設定に毎日乗り換える」を窓5日〜30日の6通りで試したところ、6通りとも全部マイナスでした。設定を変えなかった場合は6通りとも全部プラスです。調子が良く見えた頃には、その波はもう終わっています。

検算できる状態を保つ

影武者の計算値は、実際の約定と一致するはずです。同じ口座・同じ銘柄・同じ配信を見ているのだから、ずれる理由がありません。ずれていたら影武者のほうが間違っている、とすぐ分かります。

実際の突き合わせ結果も公開しています。2026年8月25日から28日の4営業日では、計算と実口座の差は1円から6円でした。ただし9月1日だけ485.4円ずれており、原因は特定できていません。次回、約定単位で突き合わせて結果を書きます。

8月24日には、運営者自身が稼働時間の設定を間違えたまま動かしていた日があります。この記録も消していません。消すと、あとで自分が困るからです。

いま公開している口座

この設定をそのまま動かし、全取引を第三者サービス(myfxbook)に自動記録しています。運営者が数字を打ち込むのではなく、口座の残高と約定履歴が自動で吸い上げられます。

ブローカー XMTrading KIWAMI極
口座種別 デモ口座
資金 100,000円
ロット 0.01 固定
稼働開始 2026年8月24日

デモ口座である点は、はっきり書いておきます。実際の約定のズレや、リアル口座でだけ起きる詰まりは、ここには入りません。金額そのものより、この設定がどの時間に入って、どの時間は動かないのか、その挙動を見てもらうためのものです。

ブローカー比較の実測は、まだ始まっていません

正直に書きます。現在公開しているのはデモ口座1つで、これはブローカーの比較には使えません。デモ口座のスプレッドと約定は、リアル口座と同じではないからです。

ブローカーごとの差を測るには、複数のブローカーに実際の資金を入れたリアル口座を用意し、同じEA・同じ設定・同じ期間で並行稼働させる必要があります。私の第2層は、そこまで揃って初めて成立します。

そのとき、揃えなければならないのはEAの設定だけではありません。ゴールドはブローカーによって1ロットが指す量が違うため、同じ0.01ロットでも取引している量が違うことがあります。詳しくはゴールドの取引条件を読むための用語に書きました。

結果の公開は、調査済みブローカーが10社前後に揃い、リアル口座での並行稼働が3口座以上になってから始めます。1〜2社の記録では「どちらが上か」しか言えず、比較の意味がないためです。

現在の調査状況はこちらです。

20

調査済みブローカー

2

足切り基準を満たしたブローカー

7項目

全社に同じ配点

4条件

調査前に固めた基準

この方法で測れること、測れないこと

測れること 測れないこと
平常時のXAUUSDスプレッド(実測値) 出金申請から着金までの日数(別途、実際に出金して記録します)
指標発表時にどこまで広がるか ブローカーが破綻したときに資金が戻るか(規約と当局の資料で読むしかありません)
約定の質と、想定価格とのズレ 長期的なブローカーの健全性
止めている型・時間帯の仮想成績 他の人の口座で同じ結果が出るか

だから規約調査と両方やります。動かせば分かることは動かして確かめ、動かしても分からないことは文書を読む。調査方針はこちら

この記録のもとになった一次情報

下記はすべて運営者がnoteで公開している記録です。数字の出どころを確認したい方はこちらをご覧ください。

ご注意

私の記録は、運営者自身の口座で得られたものです。過去の成績は将来の結果を保証しません。同じEAを同じ設定で動かしても、口座環境が違えば結果は変わります。計算値は過去の1分足に設定を当てたシミュレーションであり、ティック単位の動き・スリッページ・約定拒否は含んでいません。

検証期間は48営業日、採用した設定は113トレードです。結論を出すには短い期間です。相場の性質が変われば当てはまりません。原則3か月ごとに同じ計算をやり直す前提の数字です(次回は2026年11月下旬)。

また、EAの成績によってブローカーの点数を変えることはしません。採点は全社共通の7項目で行い、実測は別の記録として扱います。