最終更新:2026年10月10日
先に答え:ゴールドの1pipsはいくらか
2つの数字がそろわないと出ません。1ロットが何オンスか(契約サイズ)と、その会社が価格のどの桁を1pipと呼んでいるか。この2つです。
1ロット=100オンスなら、XAUUSDの価格が1ドル動いて100ドル、0.1ドルで10ドル、0.01ドルで1ドル。ここまでは算数です。決まらないのは「1pip」が価格の何ドル分かのほうで、これは会社が書いていなければ分かりません。
調べた30社のうち、契約サイズとpipsの対応を両方書いていたのは2社だけでした。残りは、どちらかが欠けています。計算の中身はpips とスプレッドに、会社ごとの数字は30社のゴールド条件に置いています。
海外FXのゴールド(XAUUSD)は、ブローカーごとに条件の書き方が揃っていません。同じ言葉が、ブローカーによって違うものを指していることがあります。
30社の取引条件を原文で読んで、実際に食い違っていた言葉だけをここにまとめました。入門用の一般的な解説ではありません。それぞれの語について、30社を読んだときに何が割れたのかを添えています。数字の一覧は30社のゴールド条件にあります。銘柄名の違いは同じ会社の中に、ゴールドが何種類も並んでいます、取引時間の書き方は「01:05」が日本時間の何時かに分けました。
ロットとコントラクトサイズ(契約サイズ)
「ロット」は注文数量の単位です。ただし、1ロットが実際にどれだけの金を指すかは、ロットという言葉だけでは決まりません。それを決めているのがコントラクトサイズ(契約サイズ)で、ブローカーごとに設定されています。
つまり注文画面に入れる0.01や1.00は数量の指定で、実際の取引量は「ロット数 × コントラクトサイズ」で決まります。
1ロット=100オンスのブローカーなら、0.01ロットは1オンスにあたります。金が1ドル動いたときの損益も、ここから決まります。
同じ「0.01ロット」でも、ブローカーが違えば量が変わります。IS6FXは同じブローカーの中でも、マイクロ口座が1、それ以外の口座が100です。設定を一字も変えずに口座を移すだけで、持っている量が変わります。
EAを複数の口座で走らせて差を測るなら、スプレッドを比べる前にここが揃っていないと、そもそも同じ量を取引していません。
単位まで書いているブローカーは多くありません。MT4の銘柄仕様画面は、コントラクトサイズを数字だけで表示する設計で、単位を出しません。そこをそのまま載せると「100」だけが残ります。30社のうち何社が単位まで書いていたかは30社のゴールド条件に記録しています。
トロイオンス
金の「オンス」は、ふつうのオンスとは別の単位です。1トロイオンスは約31.1グラムで、食品などに使う常用オンス(約28.3グラム)ではありません。貴金属だけがこの単位を使います。
ここも書き方が分かれました。Exnessは「1ロット=100トロイオンス」と単位まで書いています。Milton Marketsは「100 oz」です。数字だけの「100」で止めているブローカーもあります。
銘柄名
ゴールドの銘柄名はブローカーごとに違います。そして、同じブローカーの中でも名前が違えば条件が違います。
- XMTradingでは
gold#(私がEAを動かしている口座の銘柄です) - IS6FXでは
XAUUSD.mcr(マイクロ口座)、.std、.pro、.ex、.ecn - BigBossでは
GOLD_USD
EAは銘柄名を指定して動きます。名前が違えば、同じEAをそのまま置いても動きません。枝番が違えばコントラクトサイズも変わることは、上のIS6FXの例のとおりです。
pips とスプレッド
スプレッドは、買値と売値の差です。取引するたびに必ず払うコストなので、EAのように回数を重ねるほど効いてきます。
問題は単位です。同じ「pips」と書いてあっても、桁が違います。スプレッドを数字で公開していた30社中16社のうち、桁の違いがはっきり出ている4社を並べます(2026年9月時点)。
- Vantage:0.16(商品仕様の「スプレッド(ピップ)」欄。2026年9月24日にはこの表に行が出てこなくなっていました)
- Land Prime:KAMINARI 0.9/ECN 1.2/Prime 3.0
- XS.com:1.9 pips(スタンダード)/0.88 pips(エリート)/0.6 pips(VIP)
- IS6FX:スタンダード等 4.4/プロゼロ 3.8/ゼロ 4.0
0.16 と 4.4 が同じ物差しの数字とは考えにくく、どの桁を1pipと数えるかがブローカーで違います。Axiはそもそもpipsを使わず、Standard 16セント/Pro・Elite 9セントという書き方です。
ゴールドの1pipsは、いくらになるのか
ここがいちばん聞かれるところだと思います。答えは「2つの数字が分からないと出ない」です。1ロットが何オンスか(契約サイズ)と、その会社が価格のどの桁を1pipと呼んでいるか。この2つです。
契約サイズのほうは算数です。1ロット=100オンスなら、XAUUSDの価格が1ドル動くと100ドル、0.1ドル動くと10ドル、0.01ドル動くと1ドル動きます。オンス数をそのまま価格の変動幅に掛けるだけです。
難しいのはもう1つのほうです。「1pip」が価格のどの幅を指すのかは、会社が書いていなければ決まりません。1ドルなのか、0.1ドルなのか、0.01ドルなのか。
pipsと金額の対応を書いていたのは、30社のうち2社でした
Milton Marketsは、口座タイプのページで「Flex 0.4ピップス(総コスト40.00ドル)」と書いています。1ロット=100オンスと同社が明記しているので、40ドルは1オンスあたり0.4ドル。つまりこの会社の1pipは、価格1ドル分です。
同社のコモディティのページは、末尾で「金スプレッド 0.2 pips~」、同じページのFAQで「金のスプレッドは$0.20から」と書いています。0.2 pips と $0.20 を同じ数字に当てているので、pipsとドルの対応は口座タイプのページと合います。
ただし数字そのものは一致していません。口座タイプのページはFlex 0.4ピップス、コモディティのページは同じ口座をFLEX 0.30ドルと書いています。対応の取り方は同じでも、値が違うという状態です。
iFOREXは、「最小68pips=価値0.68」と書いています。68pipsが0.68ドルなら、この会社の1pipは価格0.01ドル分です。
同じ「pips」という語で、この2社は100倍違います。どちらかが間違っているという話ではありません。業界で定義が統一されていない、というだけのことです。
そして残りの会社は、この対応を書いていません。だから 0.06 と 4.4 を並べて「こちらが狭い」とは言えません。数字だけを見て順位をつけると、100倍の取り違えが起きます。
100pips動いたら、いくらになるか
1ロット=100オンスの口座で、価格が動いた分を金額にするとこうなります。
- 1pip=1ドルで数える会社:100pips動くと価格が100ドル動くので、1ロットで10,000ドル
- 1pip=0.1ドルで数える会社:価格が10ドル動くので、1ロットで1,000ドル
- 1pip=0.01ドルで数える会社:価格が1ドル動くので、1ロットで100ドル
上の3つは、どれも1ロット=100オンスの口座での話です。契約サイズが同じでも、pipsの数え方だけで金額が100倍変わります。つまり「100pips取れた」という同じ一言が、会社によって違う金額を指します。SNSや動画で見た数字を自分の口座に当てはめる前に、そこだけは確かめたほうがいいと思います。
計算に必要な数字が両方そろっている会社は、多くありません
ゴールドの1pipsを、公開情報だけで金額にできるか
両方そろっていて、1pipsの金額を自分で計算できるのは1社です。iFOREXはpipsと金額の対応を書いていますが、ロット制ではなくオンス単位で数量を指定するので、契約サイズという形になっていません。
調べたブローカーの数だけレコードから数えています。あとの3つは、2026年9月27日に公開資料を読んだ判定です。
1pipsの金額を公開情報だけで出すには、契約サイズとpipsの定義の両方が要ります。調べた30社のうち、契約サイズを数値で公開しているのは15社。そのうち単位(オンス/トロイオンス)まで明示しているのは6社です。
pipsと金額の対応を書いているのは、上の2社だけでした。両方そろっているのは Milton Markets の1社です。iFOREXはロット制ではなくオンス単位で数量を指定するので、そもそも契約サイズという形になっていません。
Land Primeの書き方が、この問題をそのまま表しています。口座タイプのページに KAMINARI 0.9/ECN 1.2/Prime 3.0 と数字は並んでいますが、単位の記載がなく、契約サイズも公開されていません。この数字が金額でいくらになるかは、口座を開くまで計算できません。
数字だけを並べて順位をつけても、比べたことになりません。単位が何かを先に確かめる必要があります。社ごとの原文はゴールドの取引条件に並べてあります。
スワップポイント
スワップポイント(スワップ)は、ポジションを日をまたいで持ち越したときに発生する損益です。金は通貨と違って利息が付かないため、保有コストとして引かれる形になるのが一般的です。
ここで先に分けておきたいことがあります。「スワップが発生するか」と「スワップフリーの口座があるか」は、別の話です。ほとんどの社は前者を規約に書いています。分かれるのは後者のほうです。
30社を数え直しました(2026年9月30日時点)。スワップフリーについて何か書いていたのが19社、「提供していない」と明記しているのが2社、記載を見つけられなかったのが9社です。
- 書いている19社|置き場所はばらばらです。HYCMは取引条件1.7、FXDDは利用規約80.1と、規約の条項に置いている社もあれば、FAQや口座タイプのページにしかない社もあります
- 「提供していない」と書いている2社|TitanFXとiFOREX。書いていないことと、無いと書いてあることは違います。この2社は後者です
- 見つけられなかった9社|DecodeFXとMilton Marketsは、スワップそのものは規約にあります(DecodeFXは金融商品開示文書のSwap Charges/Swap Benefits、Milton Marketsは利用規約6.2第11条)。無いのはスワップフリーの記載のほうです
書いているブローカーでも、書き方はさまざまです。FXGTは口座タイプごとに「スワップフリー日数」が設定されています。社ごとの原文は30社のゴールド条件の表に置きました。
「スワップフリー」という表記を見つけても、それがすべての口座タイプ・すべての銘柄に当てはまるとはかぎりません。対象の口座タイプ、対象の銘柄、保有日数などの条件が付いていることがあります。自分が使う口座タイプと銘柄について、どう書かれているかを確かめる必要があります。
レバレッジ
各ブローカーが前面に出す「最大1000倍」「最大2000倍」は、ほぼ主要通貨ペアの数字です。ゴールドに別枠の上限を置いている社があり、その有無も数字も社によって違います。社ごとの記載は30社のレバレッジ制限にまとめました。
さらに、同じ「最大◯倍」でも適用条件が違います。ロット数で下がるブローカー、口座タイプで変わるブローカー、週末だけ下がるブローカーがあります。条件まで書いているブローカーの段階表は30社のゴールド条件に載せました。
EAが使えるかどうか
EA(自動売買プログラム)を使ってよいかどうかは、規約で決まります。30社では、可が22社、不可が1社(iFOREX)、規約に記載を見つけられなかったのが7社でした。
EAが使えることと、MT4/MT5が使えることは別です。プラットフォームを提供していても、自動売買を禁じている場合があります。逆に、規約でEAを認めていても、特定の手法(アービトラージやレイテンシー取引)は別条項で禁じられていることがあります。何が禁止されているかは、ブローカーごとに個別の調査記事に条項番号つきで書いています。
この用語集の使い方
ここに書いたのは、30社を読んで実際に食い違った場所だけです。一般的な入門書に載っている説明とは、力点が違います。
数字の一覧は30社のゴールド条件に、ブローカーごとの原文と条項番号は各ブローカーの調査記事にあります。自分で新しいブローカーを確かめたいときの手順は口座を開く前に、自分で規約を確かめる方法にまとめました。
外国為替証拠金取引は、為替相場の変動により損失が生じるおそれがあります。レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性もあります。本記事は調査結果と事実の記録であり、特定のブローカーでの口座開設や取引を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
本記事に記載した内容は調査基準日時点で確認できたものです。取引条件や規約は予告なく変更される場合があるため、実際のご利用前に必ず公式サイトと利用規約の原文をご確認ください。