海外FXのゴールド(XAUUSD)は、ブローカーごとに条件の書き方が揃っていません。同じ言葉が、ブローカーによって違うものを指していることがあります。

20社の取引条件を原文で読んで、実際に食い違っていた言葉だけをここにまとめました。入門用の一般的な解説ではありません。それぞれの語について、20社を読んだときに何が割れたのかを添えています。数字の一覧は20社のゴールド条件にあります。

ロットとコントラクトサイズ(契約サイズ)

「ロット」は量の単位ではなく、倍率です。注文画面に入れる0.01や1.00という数字が、実際にどれだけの金を指すのかは、ブローカーが決めています。その対応表がコントラクトサイズです。

1ロット=100オンスのブローカーなら、0.01ロットは1オンスにあたります。金が1ドル動いたときの損益も、ここから決まります。

同じ「0.01ロット」でも、ブローカーが違えば量が変わります。IS6FXは同じブローカーの中でも、マイクロ口座が1、それ以外の口座が100です。設定を一字も変えずに口座を移すだけで、持っている量が変わります。

EAを複数の口座で走らせて差を測るなら、スプレッドを比べる前にここが揃っていないと、そもそも同じ量を取引していません。

単位まで書いているブローカーは多くありません。MT4の銘柄仕様画面は、コントラクトサイズを数字だけで表示する設計で、単位を出しません。そこをそのまま載せると「100」だけが残ります。20社のうち何社が単位まで書いていたかは20社のゴールド条件に記録しています。

トロイオンス

金の「オンス」は、ふつうのオンスとは別の単位です。1トロイオンスは約31.1グラムで、食品などに使う常用オンス(約28.3グラム)ではありません。貴金属だけがこの単位を使います。

ここも書き方が分かれました。Exnessは「1ロット=100トロイオンス」と単位まで書いています。Milton Marketsは「100 oz」です。数字だけの「100」で止めているブローカーもあります。

銘柄名

ゴールドの銘柄名はブローカーごとに違います。そして、同じブローカーの中でも名前が違えば条件が違います。

EAは銘柄名を指定して動きます。名前が違えば、同じEAをそのまま置いても動きません。枝番が違えばコントラクトサイズも変わることは、上のIS6FXの例のとおりです。

pips とスプレッド

スプレッドは、買値と売値の差です。取引するたびに必ず払うコストなので、EAのように回数を重ねるほど効いてきます。

問題は単位です。同じ「pips」と書いてあっても、桁が違います。20社の公表値を並べると、こうなりました。

  • Vantage:0.16(商品仕様の「スプレッド(ピップ)」欄)
  • Land Prime:KAMINARI 0.9/ECN 1.2/Prime 3.0
  • XS.com:1.9 pips(スタンダード)/0.88 pips(エリート)/0.6 pips(VIP)
  • IS6FX:スタンダード等 4.4/プロゼロ 3.8/ゼロ 4.0

0.16 と 4.4 が同じ物差しの数字とは考えにくく、どの桁を1pipと数えるかがブローカーで違います。Axiはそもそもpipsを使わず、Standard 16セント/Pro・Elite 9セントという書き方です。iFOREXは「最小68pips=価値0.68」と、pipsと金額の対応を明示しています。

数字だけを並べて順位をつけても、比べたことになりません。単位が何かを先に確かめる必要があります。

スワップポイント

スワップポイント(スワップ)は、ポジションを日をまたいで持ち越したときに発生する損益です。金は通貨と違って利息が付かないため、保有コストとして引かれる形になるのが一般的です。

ゴールドのスワップを公開していないブローカーは少なくありません。20社のうち9社は、スワップの記載を見つけられませんでした。書いているブローカーでも、書き方はさまざまです。FXGTは口座タイプごとに「スワップフリー日数」が設定されています。

「スワップフリー」という表記を見つけても、それがすべての口座タイプ・すべての銘柄に当てはまるとはかぎりません。対象の口座タイプ、対象の銘柄、保有日数などの条件が付いていることがあります。自分が使う口座タイプと銘柄について、どう書かれているかを確かめる必要があります。

レバレッジ

各ブローカーが前面に出す「最大1000倍」「最大2000倍」は、ほぼ主要通貨ペアの数字です。ゴールドは別枠で下げられているのが普通です。

さらに、同じ「最大◯倍」でも適用条件が違います。ロット数で下がるブローカー、口座タイプで変わるブローカー、週末だけ下がるブローカーがあります。条件まで書いているブローカーの段階表は20社のゴールド条件に載せました。

EAが使えるかどうか

EA(自動売買プログラム)を使ってよいかどうかは、規約で決まります。20社では、可が14社、不可が1社(iFOREX)、規約に記載を見つけられなかったのが5社でした。

EAが使えることと、MT4/MT5が使えることは別です。プラットフォームを提供していても、自動売買を禁じている場合があります。逆に、規約でEAを認めていても、特定の手法(アービトラージやレイテンシー取引)は別条項で禁じられていることがあります。何が禁止されているかは、ブローカーごとに個別の調査記事に条項番号つきで書いています。

この用語集の使い方

ここに書いたのは、20社を読んで実際に食い違った場所だけです。一般的な入門書に載っている説明とは、力点が違います。

数字の一覧は20社のゴールド条件に、ブローカーごとの原文と条項番号は各ブローカーの調査記事にあります。自分で新しいブローカーを確かめたいときの手順は口座を開く前に、自分で規約を確かめる方法にまとめました。

ご利用にあたって

外国為替証拠金取引は、為替相場の変動により損失が生じるおそれがあります。レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性もあります。本記事は調査結果と事実の記録であり、特定のブローカーでの口座開設や取引を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

本記事に記載した内容は調査基準日時点で確認できたものです。取引条件や規約は予告なく変更される場合があるため、実際のご利用前に必ず公式サイトと利用規約の原文をご確認ください。