このページの結論
「スキャルピング可」と案内している7社のうち、3社の規約に、それを拒否または禁止する条項がありました。両建ては「可」と書かれていても、同一口座内・複数口座間・他社との間で扱いが分かれます。アービトラージは、定義にスキャルピングや両建てを含めている社がありました。
両建て、スキャルピング、アービトラージ。この3つは「できるかどうか」を先に確かめたい人が多い項目です。EA(自動売買プログラム)を使うなら、なおさら先に見ておく場所になります。ところが公開ページのFAQと利用規約が、同じことを書いていないブローカーがあります。
20社の利用規約と顧客契約を読み、禁止行為の条項を条番号つきで並べました。論点ごとに1ページずつ分けています。公開ページの説明は「ブローカーがそう案内している」という事実として記録し、規約の条文と分けています。
3つの論点
| 論点 | いちばん大きい食い違い |
|---|---|
| 両建て | HFMの公式FAQは「全銘柄でヘッジ取引が可能です」。顧客契約書 24.3.3条は複数口座をまたぐ両建てを禁止 |
| スキャルピング | IS6FXのFAQは「制限は設けておりません」。利用規約 第7条は scalping を禁止行為に列挙 |
| アービトラージ | WeTradeは両建てを「可」としながら、アービトラージの定義に「買いと売りの同時発注」を含める |
20社の内訳
スキャルピング(規約での扱い)
| 扱い | 社数 | ブローカー |
|---|---|---|
| 禁止事項として明記 | 4社 | iFOREX、Tradeview、WeTrade、IS6FX |
| 拒否・制限の裁量条項あり | 6社 | XMTrading、TitanFX、FXGT、Vantage Trading、Land Prime、MYFX Markets |
| 禁止の記載が見当たらない | 9社 | AXIORY、BigBoss、Axi、HFM、EBC Financial Group、ThreeTrader、Exness、XS.com、Milton Markets |
| 確認できていない | 1社 | EMCTrading |
詳しい条文と、公開ページとの突き合わせはスキャルピングのページにあります。
両建て(3つの層)
| 層 | 状況 |
|---|---|
| 同一口座内 | 可と明記 10社/禁じる条項なし 2社/記載なし 6社/条件つき 1社 |
| 同じブローカーの複数口座間 | 明文で禁止 4社(HFM・IS6FX・XS.com・iFOREX) |
| 他社の口座との間 | 明文で禁止 3社(iFOREX・IS6FX・XS.com) |
証拠金の扱い、ゼロカットの適用範囲、定義条項に置かれている3社については両建てのページにあります。
アービトラージ(定義の広げ方)
- 手法の名前を取り込む——Tradeview 第16条がスキャルピングを別名と定義
- 注文の出し方を取り込む——WeTradeが買いと売りの同時発注を定義に含める
- 目的で広く括る——Milton Markets 第24.33条(b)「あらゆる種類のアービトラージ戦略」
9社の列挙内容と、レイテンシに触れている11社はアービトラージのページにあります。
該当したとき、利益はどうなるのか
20社のうち18社が、取引の無効化や利益の取消を行える条項を持っています。記載が見当たらないのは EMCTrading、MYFX Markets、XS.com です。
書き方には幅があります。「疑い」で足りるとするブローカー(iFOREX、Milton Markets)、「合理的に判断した」場合とするブローカー(Exness)、「単独の裁量で」とするブローカー(Tradeview)、そして顧客が30日以内に決定的な証拠を提出した場合を除くとするブローカー(ThreeTrader 第9.7条(b))。
HFM の顧客契約書 24.4条(h)は「口座を閉鎖し、禁止された取引手法から生じた利益を没収し、当初の入金額を返還する」と書きます。入金額だけが戻る形です。
「EA可」と「あなたのEAが許される」は別です
EAの利用が文書で認められているのは14社、不可が1社、記載なしが5社でした。ただしEA可と書いてあることと、そのEAの動き方が許されることは、別の話です。
禁止行為の条項は、EAの可否とは別に置かれています。Land Prime は、価格遅延やサーバーのエラーを突くために設計されたEA・スクリプト・プラグインの使用を禁じ、XS.com は価格遅延アービトラージについて「EA・プラグインの使用を含む」と明記しています。
EAの可否そのものはゴールドの取引条件と比較ページに20社ぶん並べています。
この比較で分かること、分からないこと
分かるのは、規約に何が書いてあるかだけです。条項が実際に運用されているか、どの程度の取引で発動するかは分かりません。私は出金拒否や口座凍結の被害を確認したわけではなく、条文を読んだだけです。禁止条項があることは、そのブローカーが危険だという意味ではありません。
契約先法人と足切り判定は比較ページ、監督当局が義務づけていることはライセンス比較にあります。
このページの内容は、各ブローカーの利用規約・顧客契約・公開ページから取ったものです。調査基準日は各ブローカーの記事に記載しています。規約は予告なく改定されます。3か月に一度読み直し、変更があれば各記事の更新履歴に記録しています。
外国為替証拠金取引は、為替相場の変動により損失が生じるおそれがあります。レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性もあります。本記事は調査結果と事実の記録であり、特定のブローカーでの口座開設や取引を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
本記事に記載した内容は調査基準日時点で確認できたものです。取引条件や規約は予告なく変更される場合があるため、実際のご利用前に必ず公式サイトと利用規約の原文をご確認ください。