口座を開くときに見るのは「最大2,000倍」といった数字ですが、その数字が適用されるのは、たいてい残高が小さいうちだけです。

執筆時点で調べた20社のうち、残高・純資産・ロット数・取引数量のいずれかでレバレッジが自動的に下がる仕組みを持つ社が11社ありました。ここでは公開ページの上限と、下がる条件を並べています。

20社の最大レバレッジと、下がる条件

記録した値をそのまま出しています。

ブローカー 最大レバレッジと、下がる条件
AXIORY(アキシオリー) 最大2,000倍(マックス口座)。ゼロ・スタンダード・ナノ・テラは1,000倍、アルファは1倍
XMTrading(エックスエム) 最大1,000倍(Zero口座は最大500倍)
FXGT(エフエックスジーティー) OPTIMUS 最大5,000倍/STANDARD 最大2,000倍/PRO・ECN ZERO・MINI 最大1,000倍/CRYPTOX 最大500倍。いずれも有効証拠金または取引ボリュームに応じて変動
ThreeTrader(スリートレーダー) 1000倍(両口座)。ただし規約 第9.7条(f) は「過大なレバレッジの使用」を価格・執行プロセス・取引プラットフォームの操作に該当する行為の一例として挙げており、基準は示されていない。
HFM(エイチエフエム) 最大2000倍(InfinityX口座は「無制限」)。比較表には「レバレッジは調整される場合があります。詳細は規約をご参照ください」の注記があり、顧客契約書19.6(a)はエクイティ30万ドル超かつ建玉50ロット超で1:75まで下げられると定めています
EBC Financial Group(イービーシー) 500:1(両口座)
Axi(アクシ) 最大1000倍(銘柄により500倍など)
Tradeview(トレードビュー) XLev 1:400、ILC 1:200、EDGE ILC 1:100(英語の口座タイプページ)。日本語トップは「レバレッジ〜500倍」と表示。さらにダイナミックレバレッジにより銘柄と数量で変動し、金・銀は1ロット未満で1:200、1〜5ロット未満で1:100、5〜10ロット未満で1:50、10ロット以上で1:25。週末(金曜クローズ3時間前〜日曜オープン2時間後)は金・銀が1ロットまで1:100、1.01〜5ロットで1:50、5.01ロット以上で1:10
TitanFX(タイタンFX) 最大1,000倍(Zeroスタンダード・Zeroブレード)/最大2,000倍(Zeroマイクロ)
BigBoss(ビッグボス) オメガ・デラックス 最大2,222倍/スタンダード・プロスプレッド 最大1,111倍。いずれも口座残高に比例して引き下げられる方式。Forex Exotic は100倍固定、CFD Index は500倍固定、暗号通貨CFDは50倍固定など銘柄ごとの上限あり
Exness(エクスネス) 表記は全口座「1:Unlimited」。実際は有効証拠金5,000ドル未満で、5ロット以上の取引を10回決済したあとに設定できる。対象は主要通貨ペアと金・銀のみ。証拠金が5,000ドル以上で1:2000、30,000ドル以上で1:1000、100,000ドル以上で1:500
XS.com(エックスエス) 1:2000(ゴールドとFXメジャー通貨。ロット数で段階的に低下)
Vantage Trading(ヴァンテージ) スタンダード・ECN 最大1000倍、プレミアム 最大2000倍(公開ページ)。ゴールドは1,000:1(商品仕様)。顧客契約 第2.1項(g)は、レバレッジ構成と証拠金要件を単独かつ絶対的な裁量で変更できるとする
IS6FX(アイエスシックスエフエックス) 口座残高で段階的に下がる変動制。スタンダード・マイクロ・プロゼロ・EX・クリプトは200万円未満1,000倍/200万円以上500倍/500万円以上200倍/1,000万円以上100倍。レバレッジ6666倍口座は有効証拠金10万円未満6666倍〜1,000万円以上100倍。ゼロ口座は固定で FX 200倍・貴金属100倍。株価指数とエネルギーは50〜100倍、株式は50倍
Milton Markets(ミルトンマーケッツ) 口座により1:100〜1:1000。ただし公開ページ間で食い違いあり
Land Prime(旧LAND-FX) 商品別にFX・貴金属(XAUUSD/XAUUSD_m/XAGUSD)が2,000倍、インデックス200倍、仮想通貨500倍、株式20倍。加えてレバレッジ変更ポリシーがあり、有効証拠金または保有ロット数の「いずれかの条件を満たした場合」に自動で引き下げ(2,000倍=0〜4,999ドルまたは10ロット未満/1,000倍=5,000〜29,999ドルまたは20ロット未満/500倍=30,000〜49,999ドルまたは50ロット未満/200倍=50,000〜99,999ドルまたは100ロット未満/100倍=100,000ドル以上または100ロット以上)。FXと金属にのみ適用。重要な経済指標の発表15分前から発表5分後までの新規注文は最大200倍(ヘルプセンター)
iFOREX(アイフォレックス) 最大400倍(主要通貨ペアの証拠金率0.25%)。金は0.5%=200倍相当、金24/7は1%=100倍相当、株式CFDは最大20倍。新規顧客にはトレーディングチケットにより「最大800倍」と案内
WeTrade(ウィートレード) FX 最大2000倍(口座純資産に応じて自動で変動)。貴金属は変動レバレッジ規約の上限が400倍
EMCTrading(イーエムシートレーディング) 1000倍(Standard・Micro)/500倍(Zero・Zero-M)。株式CFD 50倍、CFD 100倍、仮想通貨は取引数量5ロット未満200倍・5〜10ロット100倍・10ロット以上50倍
MYFX Markets(マイエフエックスマーケッツ) 公開ページは最大1,000倍(FX商品。スタンダード口座は口座残高70万円まで、プロ・マイクロは500倍*500万円まで)。Product Schedule の Account Leverage 表は 1:500/1:400/1:200/1:100 の4段階で上限1:500。貴金属だけを別枠で示した記載は公開ページに見当たらない

自動で下がる社:11社

FXGT・Tradeview・BigBoss・Exness・XS.com・IS6FX・Land Prime・WeTrade・EMCTrading・MYFX Markets・HFM の11社で、レバレッジが自動的に下がる仕組みを確認しました。

下がる引き金は社によって違い、大きく「口座残高・有効証拠金で下がる型」と「ロット数・取引数量で下がる型」に分かれます。

  • 残高で下がる|BigBoss(口座残高に比例)、IS6FX(200万円以上で500倍、500万円以上で200倍、1,000万円以上で100倍)、WeTrade(口座純資産に応じて自動)、Exness(5,000ドル以上で1:2000、30,000ドル以上で1:1000、100,000ドル以上で1:500)
  • 数量で下がる|XS.com(ロット数で段階的に低下)、Tradeview(金・銀は1ロット未満で1:200、10ロット以上で1:25)、EMCTrading(仮想通貨は5ロット未満200倍、10ロット以上50倍)
  • どちらでも下がる|FXGT(有効証拠金または取引ボリューム)、Land Prime(有効証拠金または保有ロット数のいずれかの条件を満たした場合

Land Prime の書き方には注意が要ります。「いずれかの条件を満たした場合」なので、残高が小さくてもロットを増やせば下がります。両方を満たす必要はありません。

HFMの条項が具体的です

変動レバレッジは「残高に応じて調整されます」とだけ書いて終わる社が多いのですが、HFM は数字を条項に入れています。

顧客契約書 19.6(a) は、エクイティ30万ドル超かつ建玉50ロット超という2つの条件を同時に満たした場合に、1:75まで下げられると定めています。

比較表の側には「レバレッジは調整される場合があります。詳細は規約をご参照ください」という注記があるだけです。注記から規約に降りて、はじめて数字が出てきます。

最大2000倍(InfinityX 口座は「無制限」)という表示と、条件つきの1:75。どちらも同じ会社が書いていて、どちらも嘘ではありません。

公開ページと別文書で数字が違う社

読み比べていて手が止まったのが、MYFX Markets でした。公開ページは最大1,000倍と書いています。ところがProduct Schedule の Account Leverage 表は、1:500/1:400/1:200/1:100 の4段階で、上限が1:500です。

Tradeview も似た形です。日本語トップは「レバレッジ〜500倍」と表示しますが、英語の口座タイプページでは XLev が1:400、ILC が1:200、EDGE ILC が1:100。500倍にあたる口座が見当たりません。

iFOREX は、取引条件のページでは最大400倍(主要通貨ペアの証拠金率0.25%)です。一方で新規顧客にはトレーディングチケットにより「最大800倍」と案内しています。

Milton Markets については、口座により1:100〜1:1000と記録していますが、公開ページどうしで数字が食い違っていました。どれが現行なのか、執筆時点では確定できていません。

「過大なレバレッジの使用」を禁止している社

ThreeTrader の規約 第9.7条(f) は、「過大なレバレッジの使用」を、価格・執行プロセス・取引プラットフォームの操作に該当する行為の一例として挙げています。

ただし、何倍から過大なのかは示されていません。公開ページの上限は1000倍です。会社が許可した1000倍を使うことと、規約が禁じる「過大なレバレッジ」の境目が、文面からは読み取れません。

この手の条項は禁止される取引手法にまとめています。基準が示されないまま禁止だけが書かれている条項は、ThreeTrader に限った話ではありません。

ゴールドは別枠です

FXの「最大◯倍」と、貴金属の上限を別に定めている社が多数あります。XAUUSD を触るなら、FXの数字を見ても意味がありません。

Land Prime は貴金属もFXと同じ2,000倍ですが、iFOREX は金が証拠金率0.5%=200倍相当、金の24時間取引は1%=100倍相当。WeTrade はFXが最大2000倍なのに対し、貴金属は変動レバレッジ規約の上限が400倍です。

銘柄ごとの内訳はゴールドの取引条件に集めてあります。契約サイズとスプレッドもそちらです。

このページの使い方

最大レバレッジは、入金直後のいちばん条件がよい状態を指しています。資金が増えたとき、ロットを増やしたときに何倍まで下がるか ―― そこを先に見ておくと、あとで驚かずに済みます。

強制決済の水準は別のページにまとめました。レバレッジが下がると必要証拠金が増えるので、この2つは同じ計算の前半と後半にあたります。

ここで確認しているのは記載の整合性であって、実際に不利益が生じたかどうかではありません。証拠金のハブ調べ方の基準もあわせてご覧ください。

各社の調査基準日は、それぞれのブローカー記事に書いてあります。規約は3か月に一度読み直し、変更があればこのページも直して更新履歴に残します。

この記事を書いた人

FXと俺|GOLD RESEARCH LAB

ゴールド(XAUUSD)を主戦場に自動売買と裁量を並行して運用しています。海外FXブローカーについては、公式サイトの説明ページではなく利用規約・入出金ポリシー・当局の公開資料といった一次資料を読み、条項番号を添えて記事にしています。出金や約定など自分で確かめられるものは実際に試し、確かめていないことは「確認できていない」と書く方針です。