調査結果の要点
- 契約先:VT Markets Limited(モーリシャス)
- 足切り:不合格(食い違い4件) 独自評価:59点/100
- EA(自動売買):記載なし / 禁止手法の定義:あり
- 出金日数の開示:あり / 金融庁の一覧:掲載あり(令和5年5月(関東財務局の警告は令和5年5月31日付)) ※無登録とは、日本の登録を受けずに日本居住者へ勧誘したと金融庁が判断した状態です。掲載は違法性の確定ではありません
- 注目点:ゴールドの仕様表は最大2000:1、取引口座ページは最大1000:1。顧客契約書と主要事実の概要に倍率の記載はありません。
ゴールドのページを読んでいて、手が止まりました。仕様表は「最大2000:1」、取引口座ページの表は「最大1000:1」。同じ会社の公開ページで、ゴールドの上限が2通りに分かれています。
保険のページでも、同じことが起きていました。「いかなる状況であっても資金を安全に保ちます」と書いてあります。同じページから開ける保険証明書は、破産(Insolvency Event)が起きたときに支払うものでした。金額の上限は1人あたり100万米ドル、ただし1人あたり最低2万米ドルの自己負担が引かれます。
この記事で読んだのは、VT Markets Limited(モーリシャス)の顧客契約書、主要事実の概要、入出金ポリシー、保険証明書、そして日本語の公開ページです。公式サイトの説明ページは根拠にしていません。条項番号を添えてあるので、気になるところは原文で確かめられます。
結論:この会社はどういう人に向くか
足切り基準の判定
基準を満たしていません
- 日本居住者の契約先法人が規約に明記されている
- 公開ページと規約・一次資料の間に食い違いがない食い違いが記録されています
- 出金の所要日数を具体的に開示している
- 禁止される取引手法が具体的に定義されている
この判定は入力された調査データから自動で計算されます。基準は調査を始める前に公開したもので、個別のブローカーに合わせて変えることはありません。
基準を満たさなかったことは「危険な業者である」という意味ではありません。公開ページと規約の記載が一致していない、といった事実の指摘です。また7項目100点の評価は取引条件と開示の状態を項目ごとに点数化したもので、安全性の点数ではありません。点数と足切りは別のものを測っています。
向いている人
- モーリシャスFSCの登録簿で、契約相手の会社名と免許の種類を自分で照合したい人
- 1000通貨単位など小さな枚数から試したい人(最低入金額は100ドル)
- スプレッドと手数料のどちらを払うかを、口座タイプで選びたい人
向いていない人
- ゴールドのレバレッジを、口座を開く前に1つの数字で確定させたい人
- 日本語だけで入出金の条件まで読み切りたい人(入出金ポリシーの日本語ページがありません)
- 「保険がある」という言葉を、そのまま元本の保証として受け取りたい人
独自評価は59点、足切りは不合格です。食い違いが3件あったためで、点数の高さとは別の判定です。
VT Marketsの契約先はどこの法人か:答え
日本語ページの規制・コンプライアンスに並ぶ法的文書は、すべてVT Markets Limited(モーリシャス)のものでした。顧客契約書の表紙にも同じ社名があります。版はVersion: December 2025です。
第17条(GOVERNING LAW)はモーリシャス法(2005年証券法)に準拠し、モーリシャスの裁判所に服すると定めます。争いになったときに持ち込む先は、日本の裁判所ではありません。
モーリシャスFSCの公開登録簿で照合しました(2026年9月22日確認)。「VT Markets Limited」で1件が出て、免許日は2023年10月23日、種類はSEC-2.1B Investment Dealer(Full Service Dealer excluding Underwriting)、住所は 40 Silicon Avenue, The Catalyst, Level 2, Suite 201, Ebene でした。
ただし、登録簿の画面にライセンス番号の欄はありません。公開ページが掲げる GB23202269 という番号そのものは、登録簿の側から確認できませんでした。照合できたのは会社名・免許日・免許の種類までです。
同じブランドの中に、別の役割の法人が並びます。VT Markets (Pty) Ltd(南アフリカ、FSP 50865)は、公開ページ自身が「マーケットメーカーでも商品発行者でもなく、顧客と商品提供者(VT Markets Limited)の仲介者としてのみ行動する」と書いています。ドバイ支店は紹介と販促のみ、キプロスの VT Markets Ltd は支払代理店、英国の V.T.M. Integrated Services Limited はグループ向けの役務提供です。
金融庁の一覧に、同じ商号があります
金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(海外所在業者)」に、商号「VT Markets」が載っています。所在地は First Floor, First St Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown(セントビンセント・グレナディーン諸島)と台北のオフィス、掲載時期は令和5年5月です。関東財務局の警告は令和5年5月31日付でした。
ここは慎重に読む必要があります。警告の相手はセントビンセントの住所の「VT Markets」で、いま日本語ページが契約先として示すモーリシャスの VT Markets Limited とは住所が違います。同一の法人だと断定はできません。関東財務局のページにも「業者名等・所在地は虚偽の可能性があります」と注記があります。
もうひとつ、気づいたことがあります。FSCの登録簿に出た VT Markets Limited の住所(The Catalyst, 40 Silicon Avenue, Ebene)は、同じ金融庁一覧に載る Vantage Trading Ltd. の所在地と一致します。住所が同じだから同じ会社だ、とは言えません。モーリシャスでは同じビルに多数の法人が登記されます。私が確認できたのは「住所の文字列が一致する」という事実だけです。
口座タイプの選び方:分かれ目はスプレッドか手数料か
日本語の取引口座ページに並ぶのはスタンダードSTPとローECNの2つです。スタンダードSTPはスプレッド1.2ピップスから・取引手数料0ドル、ローECNはスプレッド0.0ピップスから・手数料6ドルと書かれています。最低入金額はどちらも100ドルです。
同じ表にスワップフリー口座とイスラム口座の条件も並びます。スワップは無しですが、「管理手数料がかかる場合があります」と添えられています。いくらかは書かれていません。
ゴールドは最大2000倍、口座ページは最大1000倍です
ここでいちばん手が止まりました。ゴールドのページには仕様表があり、XAUUSDは「レバレッジ 最大2000:1*」「契約サイズ 1ロットあたり100オンス」「最小ロット 0.01ロット」と書かれています。24時間取引のXAUUSD247は1オンス単位で最大500:1*、グラム建てのGAUUSDは100g単位で最大2000:1*です。
一方、取引口座ページの表は、スタンダードSTPもローECNも「最大レバレッジ 1000:1」です。同じ会社の公開ページで、ゴールドの上限が2000倍と1000倍に分かれます。
ゴールドページの注記は「レバレッジはアカウントタイプ、市場状況、地域、およびポジションサイズによって異なります」です。変わりうることは書いてありますが、どの口座なら何倍かの対応表はありません。
もう1か所、数字が合いません。貴金属ページの本文は「柔軟なレバレッジ 最大 20:1 のレバレッジ オプションがあり」と書きます。同じページのFAQは「特定のプレシャスメタルの契約内容により、最大500:1」です。FAQの500倍はXAUUSD247の数字と一致しますが、本文の20倍はどのページとも合いません。
顧客契約書と主要事実の概要には、レバレッジの倍率そのものが書かれていません。主要事実の概要の第4章は「LEVERAGE」という見出しですが、中身は証拠金の考え方の説明で、数字は出てきません。
つまり、上限を決めているのは規約ではなく、口座タイプと銘柄ごとの設定です。ゴールドを何倍で建てられるかは、口座を開いてプラットフォーム上で確かめるまで確定しません。
ボーナスとポイント制度
プロモーションの一般規約は日本語で読めます。クレジットボーナスについて、「さらなる通知なしに、参加資格を取り消し、口座からボーナスの一部または全部を削除する権利を留保する」と書かれています。複数口座をまたいだ両建てで得た利益も、削除の対象に挙がっています。
PAMM・MAM の口座とコピートレードに参加している口座は、オファーの対象外です。ボーナスを当てにして口座の使い方を決めると、あとで前提が変わります。
VT Marketsの利用規約で知っておくべき3点:保険・改定・ゼロカット
1. 保険は「破産したとき」の保険です
日本語の保険ページは「アカウントあたり最大 1,000,000 米ドルの請求補償範囲」「いかなる状況であっても資金を安全に保ちます」と書いています。同じページから保険証明書(Evidence of Insurance)が開けます。
証明書の中身は、こうです。引受はロイズのシンジケート(ARCH 2012)、手配は Willis Towers Watson、被保険者は VT Markets Limited。支払われるのは保険期間中に破産事由(Insolvency Event)が発生した場合で、受取人は「ポリシーが定める請求者の要件を満たす顧客」です。
上限の書き方も違います。証明書は「1請求者あたり最大100万米ドル、ポリシーの制限と条件に従う」とし、自己負担(Retention)として「配当等の合計、最低でも1請求者あたり2万米ドル」を置いています。破産して配当が出た場合、その分は差し引かれます。
保険期間は2025年10月1日から2026年9月30日までです。いま読んでいる時点の期間が切れていないかは、証明書の日付で確かめられます。顧客契約書と主要事実の概要には、保険に関する条項が見当たりません。私が確認できた範囲では、保険の根拠は契約書ではなくこの証明書です。
2. 規約はいつでも改定でき、通知は「してもよい」です
第9.1条(a)は「本契約の条件は、VT Markets がいつでも改定できる」と定めます。続けて、「VT Markets は改定の通知を顧客に行うことを選択できる(may elect to provide Notice)」とあります。通知は義務ではなく選択です。
顧客が拘束されるのは、通知から10日後か、改定後に注文を出した時点の、早いほうです。注文を1回出せば、その時点で新しい条件に同意したことになります。
3. ゼロカットは「原則」で、例外が並びます
第11条(NEGATIVE BALANCE PROTECTION)は、証拠金維持率が100%を割ると証拠金請求、50%以下で不利なポジションから自動的に閉じると説明します。マイナス残高が出たときは顧客からサポートに連絡し、会社が評価するという書き方です。
そのうえで、適用しない場合が列挙されています。不可抗力、異常な市況や極端な変動、会社が「顧客の取引に起因しない」と単独の裁量で判断した場合(手数料由来の負債など)、顧客の規約違反や市場ルール違反に起因する場合です。
ゼロカットを提供するという文と、保証しないという条件が、同じ条文の中に並びます。この構造は、執筆時点で調べた会社の多くと同じでした。
禁止される取引手法は、定義されています
顧客契約書の定義(Suspicious Trading Activity)に、7つの行為が並びます。薄い流動性のときに広がったスプレッドを狙うスキャルピング、指標や引け前のギャップを大きな建玉で取りにいく行為、同一銘柄で同時に売りと買いを持つ形、ゼロカットの濫用などです。
最後の1つは「顧客・被認可利用者・その関係者による行為で、当社が疑わしいと考えるもの」で、範囲を限定していません。具体的に定義した項目と、包括的な項目が併存しています。
VT Marketsの出金は何日かかるか:答え
出金は何日で戻ってくるか
| 公開ページの表記 | 同上(入出金ポリシーが唯一の数値の出どころ。英語ページのみ) |
|---|---|
| 入出金ポリシー等の文書 | 入出金ポリシー:出金は通常1営業日以内に処理、受け取りまで1〜7営業日、銀行送金は3〜5営業日 |
入出金ポリシーに数字があります。「出金は通常1営業日以内に処理する」「受け取りまでは出金方法により1〜7営業日」「銀行送金は3〜5営業日」です。出金手数料は請求しないが、銀行や中継銀行の手数料は別とも書かれています。
読みどころは、処理と着金が分けて書かれていることです。「1営業日」は会社が処理を終えるまで、「1〜7営業日」は手元に届くまでです。この2つを混ぜると、待つ日数の見積もりが変わります。
ひとつ、不便な点があります。この入出金ポリシーは英語ページにしかありません。日本語側の同じURL(/jp-asia/deposit-withdrawal-policy/)は404でした(2026年9月22日確認)。日本語だけで読み進めると、出金日数の根拠にたどり着けません。
入出金の方針として、入金元に戻す(Return to Source)が明記されています。カードで入金したらカードへ、という形です。入金と出金の経路が違うときは、先に確認しておくほうが安全です。名義や経路の制約は出金のルールにまとめてあります。
口座開設の手順
口座開設の手順と所要時間
| 所要時間 | 記載が見当たりません |
|---|---|
| 必要書類 | 記載が見当たりません(日本語ページに必要書類の一覧を見つけられませんでした) |
- 登録する → 入金する → 取引する の3ステップ(公開ページ)
入出金ポリシーは、入金の名義確認のためにカードの写しなどの提出を求める場合があると書いています。
公開ページの案内は「登録する・入金する・取引する」の3ステップです。本人確認の書類の種類や審査日数について、日本語ページで具体的な記載は見つけられませんでした。
この記事に口座開設リンクは置いていません。VT Markets(ブイティーマーケッツ)とは提携していないためです。採点と足切り判定は、提携の有無とは関係なく30社すべてに同じ基準を当てて出しています。ボタンがないことは、この会社の評価とは関係ありません。
日本語サポートの実務
日本語のサイトとヘルプセンターがあります。ヘルプセンターは日本語で、入出金・口座・プラットフォームの記事が読めます。一方で、日本語の問い合わせ窓口の営業時間を示す記載は、公開ページの中では見つけられませんでした。
問い合わせへの対応の速さや丁寧さは、このサイトの採点に入れていません。運営者に対する応対と、口座を持つ人が受ける対応は別物だからです。
VT Marketsの日本人ユーザー数はどれくらいか:計測値がなく、判定しません
日本からの利用者数は出しません。公開情報から取れるのは訪問数や使われ方の指標までで、そこから実際に取引している人数を導く筋道がないためです。この扱いは全社で同じです。
独自評価 59点の内訳
独自評価
各項目を満点に対する割合で描いています。外側ほど満点に近い形です。
| 評価項目 | 配点 | 採点 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 信頼性・運営情報 | 20 | 12 | 契約先が VT Markets Limited(モーリシャス)と規制ページ・顧客契約書の双方で一致し、FSCの公開登録簿でも会社名・免許日(2023年10月23日)・免許種別(SEC-2.1B)を確認できた点は加点。一方、登録簿にライセンス番号の表示がなく GB23202269 は番号として照合できない。金融庁の一覧に同じ商号「VT Markets」があり(所在地はセントビンセント・台北)、登録簿の住所が同一覧の Vantage Trading Ltd. の所在地と文字列として一致する点を減点。 |
| 取引環境 | 20 | 13 | MT4・MT5とアプリ、最低入金100ドル、口座タイプでスプレッドと手数料を選べる点は加点。ゴールドの上限がページによって2000倍と1000倍に分かれ、規約に数値がないため取引前に確定できない点を減点。契約サイズ・最小ロット・取引時間が仕様表で公開されている点は加点。約定やスリッページは計測していない。 |
| 取引コスト | 15 | 9 | スプレッドは公開値のみで、XAUUSDの具体的な数値も単位も公開ページに見当たらない。契約サイズは100オンスと単位まで明記されている。ローECNの手数料6ドルも単位(片道/往復・1ロットあたり)の明記がない。 |
| 入出金環境 | 15 | 10 | 出金日数が処理1営業日・着金1〜7営業日・銀行送金3〜5営業日と数値で開示されている点は加点。入出金ポリシーが英語ページにしかなく、日本語では根拠にたどり着けない点を減点。Return to Source の明記はプラス。 |
| 日本語サポート | 10 | 6 | 日本語サイトと日本語のヘルプセンター記事がある点は加点。日本語窓口の営業時間の記載を公開ページ内で見つけられなかった点を減点。 |
| EA・自動売買環境 | 10 | 5 | MT4・MT5が使え、VPSの払い戻しプログラムがある点は加点。EAの可否を明示した記載が公開ページに見当たらず、規約側は濫用的な自動売買を Suspicious Trading Activity として包括的に禁止している。 |
| ネット上の評判 | 10 | 4 | 日本語の一次情報が薄く、検索の上位はアフィリエイト媒体の比較記事が中心。金融庁の一覧に同じ商号があること自体は事実として減点材料だが、被害の有無は確認していない。 |
| 合計 | 100 | 59 / 100 | |
全ブローカーに同一の配点・同一の観点を適用しています。基準は調査方針をご覧ください。
点数は7項目の合計です。点数が高いことと、足切りに通ることは別物です。足切りは記載の整合性だけを見ます。
公開ページと一次資料の食い違い
| 論点 | 公開ページの表記 | 一次資料の記載 |
|---|---|---|
| 顧客資金保険の条件 | クライアントファンド保険ページ「アカウントあたり最大1,000,000米ドル」「いかなる状況であっても資金を安全に保ちます」 | 保険証明書は破産事由(Insolvency Event)の発生時に支払うもので、1請求者あたり最低2万米ドルの自己負担(Retention)付き。保険期間は2025年10月1日〜2026年9月30日。顧客契約書・主要事実の概要に保険の条項は見当たらない |
| ゴールドのレバレッジ上限 | ゴールドページの仕様表「XAUUSD 最大2000:1」/取引口座ページ「最大レバレッジ1000:1」(全口座タイプ) | 顧客契約書・主要事実の概要にレバレッジの倍率の記載なし。ゴールドページの注記は「レバレッジはアカウントタイプ、市場状況、地域、ポジションサイズによって異なります」 |
| 貴金属のレバレッジ | 貴金属ページ本文「柔軟なレバレッジ 最大 20:1」/同ページFAQ「特定のプレシャスメタルの契約内容により最大500:1」 | ゴールドページの仕様表はXAUUSD 2000:1、XAUUSD247 500:1、GAUUSD 2000:1。本文の20:1と一致するページは見当たらない |
| 顧客資金の保護 | FAQ「分別管理口座で管理」 | 顧客契約 第2.7条(a)(v)「顧客資金の分別は、顧客資金を損失のリスクから完全には保護しない」と明記 |
食い違いは4件でした。1件でもあれば不合格です。どれも「嘘だ」と言っているのではありません。公開ページの言い方と、一次資料に書いてある条件が、そろっていないという意味です。
評判をどう評価したか
評判を4点とした根拠
- 日本語の情報:検索で上位に出るのは広告収入を前提にした比較記事が中心で、条項番号まで確かめた記事は見つけられなかった(2026-09-22確認)。
- 公的な記録:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(海外所在業者)」に商号「VT Markets」が掲載(掲載時期 令和5年5月、関東財務局の警告は令和5年5月31日付)。所在地はセントビンセント・グレナディーン諸島と台北で、現在の契約先であるモーリシャス法人とは異なる。
- 読み方の注意:掲載は「無登録で勧誘を行っていた」という公表であって、出金拒否や詐欺の認定ではない。関東財務局のページ自身が「業者名等・所在地は虚偽の可能性があります」と注記している。
- 紹介記事とのずれ:紹介記事の多くは「最大レバレッジ1000倍」と書くが、同社の公開ページには20:1・500:1・2000:1の表記も並ぶ。
判断:4点。日本語の一次情報が薄く、同じ商号が公的な警告の対象になっている。被害の有無は確認していないため、これ以上の加点も減点もしない。
ひとつ、はっきり書いておきます。私は出金拒否の有無を確認していません。確認したのは、規約と公開ページに何が書いてあるかだけです。ネットの書き込みを自分で確かめる手順は「出金拒否」「詐欺」と書かれた話を、自分で確かめる方法に書きました。
他社と比べたとき、どこが強くてどこが弱いか
強いのは保険の中身を証明書まで公開している点です。金額だけを掲げて根拠を出さない会社もある中で、引受先・期間・自己負担まで読めます。読めば条件が分かる、という意味では開示されています。
弱いのは数字の揺れです。ゴールドの上限が、ページによって2000倍と1000倍に分かれます。公開ページと規約で数字が違う例はほかの社にもありましたが、公開ページ同士で割れている形は読んでいて戸惑いました。
もう1つは言語です。日本語ページは整っている一方、出金日数の根拠になる入出金ポリシーは英語ページにしかありません。日本語で完結しない部分がどこかを、先に知っておく必要があります。
他社と同じ基準で並べたものは30社の比較表に、当局ごとの違いはライセンス比較にあります。
税金の扱い
税金の扱い(海外FX共通)
国内のFX業者と海外のFX業者では、利益にかかる税金の計算方法が違います。ここはブローカーごとの差ではなく、海外FX全体に共通する話です。
| 区分 | 雑所得(総合課税)。国内業者は申告分離課税です |
|---|---|
| 税率 | 給与など他の所得と合算した金額に対する累進課税。国内業者の一律20.315%とは異なります |
| 損失の繰越 | できません。国内業者は最長3年繰り越せます |
| 他社との損益通算 | 海外FX同士は通算できますが、国内業者の損益とは通算できません |
| 確定申告 | 給与所得者は年間の利益が20万円を超えると申告が必要です |
具体的な税額や申告の可否は所得状況によって変わります。判断に迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。
VT Marketsのよくある疑問
VT Markets の契約相手はどこの法人ですか?
VT Markets Limited(モーリシャス)です。顧客契約書の表紙と日本語の規制ページの法的文書が一致しています。第17条で準拠法はモーリシャス法、管轄はモーリシャスの裁判所です。
金融庁の一覧に載っていますか?
商号「VT Markets」が掲載されています(掲載時期 令和5年5月、関東財務局の警告は令和5年5月31日付)。ただし一覧の所在地はセントビンセント・グレナディーン諸島と台北で、いま契約先として示されるモーリシャス法人とは異なります。同一法人とは断定できません。掲載は違法性が確定したという意味でもありません。
ゴールドのレバレッジは何倍ですか?
ゴールドページの仕様表はXAUUSDが最大2000:1、取引口座ページの表は全口座タイプで最大1000:1です。貴金属ページ本文は最大20:1、同FAQは最大500:1(XAUUSD247の数字と一致)。顧客契約書と主要事実の概要に倍率の記載はありません。
100万ドルの保険とは何ですか?
ロイズのシンジケート(ARCH 2012)が引き受ける Excess of Loss 保険で、支払われるのは保険期間中に破産事由が発生した場合です。上限は1請求者あたり100万米ドル、最低2万米ドルの自己負担があります。保険期間は2025年10月1日〜2026年9月30日です。
出金は何日かかりますか?
入出金ポリシーは、処理が通常1営業日以内、受け取りまで1〜7営業日、銀行送金は3〜5営業日としています。このポリシーは英語ページにしかありません。
ゼロカットはありますか?
顧客契約書 第11条に負の残高保護の定めがあります。ただし不可抗力、異常な市況、規約違反に起因する場合などは適用しないと列挙されており、マイナスが出たときは顧客から連絡して会社が評価する書き方です。
まとめ
この会社は、変更の自動監視ができていません。2026年9月23日にあらためて10ページを登録して実行したところ、サーバーから全ページ HTTP 403(bot対策)が返りました。bot対策の迂回はしないので、3か月ごとに私が手で開いて、保存してあるアーカイブと突き合わせます。
読んだのは2026年9月22日時点の一次資料です。規約は改定されます。3か月に一度は読み直し、変わっていれば記事を直して更新履歴に残します。
とくに保険証明書の期間(2026年9月30日まで)は、近いうちに更新されるはずの箇所です。次に読み直すときは、まずここを見ます。
基本情報
| 英文ブランド名 | VT Markets |
|---|---|
| 検索用タイトル(title タグ) | VT Marketsの評判・出金・レバレッジ|規約で独自調査 |
| 公式サイトURL(日本語) | https://www.vtmarkets.com/jp-asia/ |
| ブランドロゴの画像URL | https://fx-ore.com/wp-content/uploads/2026/09/chip-vtmarkets.png |
| 設立年 | 2015(VT Markets (Pty) Ltd の南アフリカ登記が2015年。モーリシャス法人の免許は2023年10月23日) |
| 日本居住者の契約先法人名 | VT Markets Limited(モーリシャス) |
| 契約先法人の登記番号 | (登録簿に登記番号の表示なし。公開ページはライセンス番号 GB23202269 と表記) |
| 契約先の監督当局 | モーリシャス金融サービス委員会(FSC) |
| 契約先を監督する当局の水準 | オフショア登録 |
| 契約先のライセンス番号 | GB23202269(公開ページの表記。登録簿では番号の表示がなく未照合) |
| 契約先の登記住所 | 40 Silicon Avenue, The Catalyst, Level 2, Suite 201, Ebene, Mauritius(FSC登録簿の表示、2026-09-22確認) |
| 日本居住者が投資家補償基金の対象か | 対象外 |
| 契約先カードの注意書き(読み違えやすい点) | 南アフリカの VT Markets (Pty) Ltd(FSP 50865)は公開ページ自身が「仲介者としてのみ行動し、商品提供者は VT Markets Limited」と明記。ドバイ支店(CMAライセンス20200000299)は紹介・販促のみ。キプロスの VT Markets Ltd(HE436466)は支払代理店で、規制対象の活動は行わないと記載。英国の V.T.M. Integrated Services Limited(17416220)はグループ向けの役務提供。 |
日本市場
| 金融庁 無登録業者一覧への掲載 | あり |
|---|---|
| 掲載時期(掲載ありの場合) | 令和5年5月(関東財務局の警告は令和5年5月31日付) |
| 一覧に記載された法人名 | VT Markets(所在地:First Floor, First St Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, セントビンセント・グレナディーン諸島/台北オフィス)。現在の契約先として示されるモーリシャスの VT Markets Limited とは所在地が異なり、同一法人とは断定できない。 |
| 日本語サポートの対応時間 | 日本語サイトと日本語のヘルプセンターあり。日本語窓口の営業時間の記載は、公開ページの中では見つけられませんでした(2026-09-22確認) |
| 日本人スタッフ | 不明 |
| 規模についての判定 | 日本人利用者数の推計値は出しません。公開情報から取れるのは訪問数や使われ方の指標までで、そこから取引している人数を導く筋道がないためです。 |
取引環境
| 口座タイプ | スタンダードSTP/ローECN(別ページに Cent・Pro ECN)。スワップフリー・イスラム口座の条件表あり |
|---|---|
| 口座カードの副題 | スタンダードSTP と ローECN の2つ。違いはコストの取り方だけです(別ページに Cent と Pro ECN) |
| 口座タイプ別の条件(カード) | 口座名 | 最低入金 | EURUSD スプレッド | 取引手数料 | 最大レバレッジ | スワップ スタンダードSTP | 100USD | 1.2ピップスから | +なし | !1000:1 | あり ローECN | 100USD | +0.0ピップスから | 6USD | !1000:1 | あり スワップフリー | 100USD | 1.2ピップスから/0.0ピップスから | 口座タイプによる | !1000:1 | +なし(管理手数料がかかる場合あり) |
| 口座カードの注意書き(選び方の分かれ目) | 手数料の6USDは単位(片道か往復か、1ロットあたりか)の明記が見当たりません。最大レバレッジ1000:1は取引口座ページの表記で、ゴールドページの仕様表(XAUUSD 最大2000:1)とは一致しません。 |
| 最大レバレッジ | ゴールド(XAUUSD)は最大2000:1、取引口座ページは全口座タイプで最大1000:1。貴金属ページ本文は最大20:1、同FAQは最大500:1。顧客契約書と主要事実の概要に倍率の記載なし |
| ロスカット水準 | 50%(顧客契約 第11条。50%以下で、損失の大きいポジションから自動的に閉じる) |
| マージンコール水準 | 100%(顧客契約 第11条) |
| 最小取引単位 | 0.01ロット(XAUUSDとGAUUSD)。XAUUSD247は1ロット(ゴールドページの仕様表) |
| 1取引あたりの最大数量 | 記載が見当たりません |
| 取扱銘柄数 | 外国為替、CFD株、指数、エネルギー、貴金属、ソフトコモディティ、ETF、CFD債券、合成指数、暗号資産CFD(主要事実の概要 第7章) |
| プラットフォーム | MetaTrader 4/MetaTrader 5/VT Markets アプリ/ウェブトレーダー |
| 口座通貨 | USD/AUD/GBP/EUR/CAD(取引口座ページ)。顧客契約 第5条は取引通貨としてJPYなども挙げています |
| 約定方式 | 記載が見当たりません(STP・ECNという口座名のほかに、執行方式を説明した記載を見つけられませんでした) |
コスト
| EURUSD 平均スプレッド | 1.2ピップスから(スタンダードSTP)/0.0ピップスから(ローECN)※公開ページの表示値 |
|---|---|
| XAUUSD 平均スプレッド | 数値の記載が見当たりません(ゴールドページは「スプレッド極小0.0ピップスから」と書くのみで、XAUUSDの実数も単位も示していません) |
| 取引手数料 | スタンダードSTP 0ドル/ローECN 6ドル(公開ページの表示。単位の明記なし) |
| スワップフリー | あり(スワップフリー口座。「管理手数料がかかる場合があります」と注記、金額の記載なし) |
| GOLD 1ロットのコントラクトサイズ(契約サイズ) | 1ロットあたり100オンス(XAUUSD)。XAUUSD247は1ロットあたり1オンス、GAUUSDは1ロットあたり100グラム(ゴールドページの仕様表、2026-09-22確認) |
EA・自動売買
| EAの使用(公式FAQ) | 記載なし |
|---|---|
| スキャルピング(公式FAQ) | 記載なし |
| スキャルピング(規約側) | 拒否・制限の裁量条項あり |
| 両建て | 同一または類似の銘柄で同時に売りと買いを持つ形は、顧客契約書の Suspicious Trading Activity の例(a)に挙げられています。プロモーション一般規約は、口座をまたいだ両建てにクレジットボーナスを使うことを禁じ、そこで生じた利益を削除する権利を留保しています。 |
| 禁止取引手法が具体的に定義されているか | されている |
| 禁止取引手法の内容(条項番号つき) | 顧客契約書の定義 Suspicious Trading Activity に (a)〜(g) が列挙。薄い流動性時の広いスプレッドを狙うスキャルピング、指標や引け前のギャップ狙い、同一・類似銘柄の同時両建て、ゼロカットの濫用、搾取的・不誠実とみなされる取引行動、そして「当社が疑わしいと考える行為」。最後の項目は範囲を限定していない。 |
| 知っておくべき3点(カード) | 第1.4条(v)+定義 Suspicious Trading Activity | 疑わしいと当社が単独の裁量で判断すれば、口座の停止・損失の回収・利益の取消まで即時にできると書く。例にはスキャルピングや同時両建てが挙がる 第9.1条(a) 改定 | いつでも改定でき、通知は「してもよい(may elect)」。拘束されるのは通知から10日後か、次に注文を出した時点の早いほう 第11条 負の残高保護+保険証明書 | ゼロカットは原則で、不可抗力・異常な市況・規約違反は対象外。公開ページの100万ドルの保険は破産したときの保険で、最低2万ドルの自己負担がある |
| 3点カードの注意書き(実務上どう受け止めるか) | ゴールドのレバレッジを1つの数字で決めたい人には向きません。規約に倍率がなく、公開ページが2000倍と1000倍に分かれているからです。保険を理由に選ぶ場合は、証明書の保険期間(2026年9月30日まで)と最低2万ドルの自己負担を先に読んでください。 |
| VPS | VPS払い戻しプログラムあり(公開ページに掲載。適用条件は未確認) |
入出金
| 入金方法 | クライアントポータル経由。入金は取引口座と同一名義の経路からに限る(入出金ポリシー)。ヘルプセンターにローカル銀行振込の記事あり。方法の一覧は公開ページで見つけられませんでした |
|---|---|
| 出金方法 | クライアントポータル経由。入金元に戻す(Return to Source)方針を明記 |
| 出金手数料 | VT Markets は請求しない。銀行や中継銀行の手数料は顧客負担と明記 |
| 出金所要日数(公開ページの表記) | 同上(入出金ポリシーが唯一の数値の出どころ。英語ページのみ) |
| 出金所要日数(入出金ポリシー等の文書) | 入出金ポリシー:出金は通常1営業日以内に処理、受け取りまで1〜7営業日、銀行送金は3〜5営業日 |
| カード出金の上限 | 記載が見当たりません |
| 第三者名義の扱い | 入金元に戻す(Return to Source)方針を公開ページに明記 |
口座開設
| 本人確認に必要な書類 | 記載が見当たりません(日本語ページに必要書類の一覧を見つけられませんでした) |
|---|---|
| 口座開設の所要時間 | 記載が見当たりません |
| 口座開設時の注意点 | 入出金ポリシーは、入金の名義確認のためにカードの写しなどの提出を求める場合があると書いています。 |
規約
| 確認した規約の版数・改訂日 | Client Agreement Version: December 2025 |
|---|---|
| 規約のURL | https://www.vtmarkets.com/files/VT_Mauritius_Client_Agreement.pdf |
| 休眠口座手数料 | 記載が見当たりません(休眠口座手数料の条項は顧客契約書に見当たりません) |
| 休眠手数料が事前に開示されているか | 規約に記載なし |
| 規約改訂に顧客の事前同意が必要か | 不要 |
| 利益取消・取引無効化の条項 | 顧客契約 第1.4条(v)。疑わしい取引と判断した場合、取引口座の一時的または恒久的な停止、損失の回収、注文の無効化と関連する利益の取消を、即時に行えると定めています。 |
| ボーナス規約の要点 | プロモーション一般規約。クレジットボーナスは、さらなる通知なしに資格の取り消しと削除ができると明記。PAMM・MAM の口座とコピー取引の口座はオファーの対象外。 |
調査・開示
| 調査基準日 | 2026-09-22 |
|---|
出典
- VT Markets 顧客契約書(Client Agreement/Version: December 2025・PDF)
- VT Markets 主要事実の概要(Key Facts Summary・PDF)
- VT Markets 入出金ポリシー(英語)
- VT Markets 規制・コンプライアンス(日本語)
- VT Markets 取引口座(日本語)
- VT Markets 貴金属(日本語)
- VT Markets ゴールド XAUUSD(日本語)
- VT Markets クライアントファンド保険(日本語)
- VT Markets 保険証明書(Evidence of Insurance・PDF)
- VT Markets プロモーション一般規約(日本語)
- モーリシャスFSC 公開登録簿(Online Public Register)
- 金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(海外所在業者)
- 関東財務局 無登録で金融商品取引業等を行う者について(VT Markets)
調査基準日:2026-09-22 / 取引条件・規約は予告なく変更される場合があります。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
別の業者の欄から、この法人が挙げられています
金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」(令和8年8月27日更新)では、VT Markets Limited自身の欄に他社への参照はありません。挙げているのはbitcastle LLCの欄(令和7年4月警告)のほうです。原文はこうです。
原文を見る ― 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」(令和8年8月27日更新)
当該業者が提供するサービスの名称は「bitcastleFX」である。 なお、当該業者との関係性は不明であるが、警告している以下の業者については一部の所在地が同様もしくは類似している。 ・「STARTRADER LLC」(令和7年3月26日付で警告) ・「VT Markets」(令和5年5月31日付けで警告) ・「HAST Financial Group Ltd.」(令和5年4月21日付けで警告) ・「WeTrade International Ltd.」(令和5年1月27日付けで警告) ・「Focus Markets LLC」(令和4年11月30日付けで警告) ・「Ec MARKETS Global LLC」(令和4年10月28日付けで警告)
金融庁自身が「当該業者との関係性は不明であるが」と先に断っています。同じ住所に登記されていることと、同じ人が運営していることは別の話です。この記事も、そこから先には踏み込みません。あわせて、一覧に載ること自体は違法性が確定したという意味ではありません。海外FX業者が日本居住者を勧誘していれば載ります。
この参照を一覧全体から拾い直した結果は「同じサービス名で、別の法人が警告されています」にまとめました(2026年9月24日時点の一覧)。






























