Hantec|金融庁に載った住所は、ほかに3社が同じ部屋番号を名乗っています

最終更新:2026年10月25日

「Hantec 詐欺」と検索して来られた方へ。判定はしていません。確かめたのは、金融庁の一覧にこの名前があるかと、公開ページに契約相手の法人名が書いてあるかの2つです。被害の有無は確認していません。

2026年10月23日、金融庁の一覧に Hantec Markets Limited と Hantec Markets Holdings Limited の行が載りました。サービスの名称は「Hantec」。区分は海外です。

所在地を読んで、手が止まりました。モーリシャスの The Catalyst という建物の Suite 201 です。この部屋番号は、同じ一覧の別の行で何度も見た覚えがありました。引き直したら、ほかに3社が同じ部屋番号を名乗っていました。

金融庁が公表している行

項目 公表されている内容
商号、名称又は氏名等 Hantec Markets Limited、Hantec Markets Holdings Limited(Hantec Markets、ハンテック マーケッツ リミテッド)
所在地又は住所 【Hantec Markets Limited】Suite 201, The Catalyst Silicon Avenue, 40 Cybercity, 72201 Ebène, Republic of Mauritius
【Hantec Markets Holdings Limited】Unit 4609, 46/F Cosco Tower, 183 Queen’s Rd Central, HK, Hong Kong
金融商品取引業の内容等 インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの
備考 当該業者が提供するサービスの名称は「Hantec」である。
掲載時期 令和8年10月
区分 海外

法人が2つ並んでいます。モーリシャスの Limited と、香港の Holdings Limited。どちらと契約するのかは、この行からは読み取れません。

同じ建物を名乗る6社、同じ部屋番号は4社

一覧の全文を「Catalyst」で引くと、6社が出てきました。掲載時期の新しい順に並べます。

法人 公表されている部屋の表記 サービスの名称 掲載時期
Hantec Markets Limited Suite 201, The Catalyst Silicon Avenue, 40 Cybercity, 72201 Ebène Hantec 令和8年10月
Spec Capitals Ltd Suite201,The Catalyst,40 Silicon Avenue,Ebène Spec Trading 令和8年9月
Vantage Trading Ltd. Suite 201, 2nd Floor, The Catalyst, 40 Silicon Avenue, Ebene Cybercity Vantage Trading、ヴァンテージ 令和8年8月
PU Prime Limited ①Suite 201 Level2,The Catalyst Building,40 Silicon Avenue,Cybercity Ebene PU Prime 令和6年12月
Capital Point Trading Ltd(Raw Trading Ltd) The Cyberati Lounge, Ground Floor, The Catalyst, Silicon Avenue, 40 Cybercity, 72201 Ebene IC Trading、ICトレーディング 令和7年5月
EC Markets Limited ②Silicon Avenue, 40 Cybercity The Cyberati Lounge, c/o Credentia International Management Ltd, Ground Floor, The Catalyst 72201 Ebene EC Markets、EC マーケット 令和7年5月

原文の表記はばらばらです。「Suite 201」「Suite201」「Suite 201, 2nd Floor」「Suite 201 Level2」。空白の有無と、階の書き方が違うだけで、指している部屋は同じに見えます。残りの2社は Ground Floor の The Cyberati Lounge です。

EC Markets の行には c/o Credentia International Management Ltd という名前まで入っています。これは法人の設立や住所の提供を請け負う事業者の名前の形です。そういう事業者が入っている建物だと読むのが自然だと思います。

ほかの住所についても同じ数え方で調べました。セーシェルのF20には5社、セントビンセントのGriffith Corporate Centreには12社、コモロのBonovo Roadには16社。一覧は金融庁の一覧を住所で突き合わせたページにあります。

住所が同じでも、運営が同じとは限りません

ここは慎重に書きます。私は、この6社が同じ運営だとは言いません。住所の提供を請け負う事業者が入っている建物なら、無関係な会社が同じ部屋番号を名乗ることは普通に起こります。

同じ姿勢を、金融庁も取っています。PU Prime Limited の備考はこう書かれています。

なお、当該業者との関係性は不明であるが、令和6年12月26日付で警告した「FinPros Financial Ltd」と②の所在地が同様である。(金融庁の一覧 2026-10-23取得)

「関係性は不明であるが、所在地が同様である」。当局自身が、住所の一致と運営の一致を分けて書いています。私がこのサイトで取っている書き方と同じです。

では、この表は何の役に立つのか。自分が契約しようとしている法人の住所を、一覧で引いてみる価値があるということです。出てきた行が自分の会社と無関係だったとしても、その住所が何社に使われているかは知っておいて損がありません。

この表には、私が調べた30社のうち2社の契約先が入っています

Vantage Trading Ltd. は、Vantageの調査ページで読んだ顧客規約の契約先そのものです。令和8年8月の掲載で、備考には令和5年3月の「Vantage Global Limited」と令和6年6月の「Vantage Prime Trading Limited」とサービス名称が類似しているとも書かれています。

Capital Point Trading Ltd(Raw Trading Ltd)は、IC Marketsの調査ページに書いた行です。Raw Trading Ltd は IC Markets の契約先法人の名前です。

つまりこの建物には、規約を公開して普通に営業している会社の法人も入っています。「この住所だから危ない」という読み方はできません。逆に「有名な会社と同じ住所だから安心」という読み方もできません。

確かめたことと、確かめていないこと

確かめたこと。金融庁の一覧(HTML版の表1,159行、および海外所在業者のPDF全204ページ、どちらも2026-10-23取得)を原文で引き、上の2つの表を作りました。関東財務局が公表している警告の一覧(同日取得、全252件)にも、Hantec の行があります。

確かめていないこと。Hantec のサイトがいま動いているか。規約が公開されているか。契約先の法人がモーリシャスと香港のどちらになるか。被害があったかどうか。どれも公表資料からは分かりません。

このサイトのブローカー調査の型(足切り4条件(このサイトでいう最低条件です)と7項目採点)は使っていません。規約が公開されていることが前提の型なので、規約を読んでいない相手には当てられません。

同じことを自分で確かめる順番

① サービス名と法人名の両方で引く。一覧は商号の欄とサービス名の欄が別です。片方で出なくても、もう片方で出ることがあります。

② 住所でも引く。建物の名前や部屋番号で引くと、同じ住所を名乗る行がまとまって出てきます。これが今日いちばん効いた引き方でした。

③ 備考の欄を読む。金融庁は、関連しそうな別の行を備考で名指しすることがあります。「関係性は不明であるが」という書き方もそこに出てきます。

④ 掲載時期を見る。令和8年10月の行と令和6年12月の行では意味が違います。

一覧の読み方そのものは撤退・警告された業者のページに、住所でつながる群の全体は所在地でつながる群を整理したページに、名前が一覧に無い場合は一覧に名前が無い業者にあります。

出典

  • 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)」表1,159行/2026-10-23 取得
  • 金融庁 同(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)PDF 全204ページ/2026-10-23 取得
  • 関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行っている者に対する警告」全252件/2026-10-23 取得

判定はしていません。このページに書いたのは、公表資料に何が載っているかだけです。