最終更新:2026年10月4日
「海外FXは2026年に規制されますか」「出金できなくなりますか」という問いが、検索の候補に並んでいます。法改正は実際にあり、2026年6月1日に施行されています。
ただ、何が規制されたのかを条文で書いているページが見当たりませんでした。そこで金融庁の資料だけを読んで、規制の名宛人が誰で、何が適用除外になったのかを並べます。
先に書いておくと、私はこの改正で出金ができなくなるとは書きません。条文に書いてあるのは事業者への規制で、利用者を名宛人にした定めは見当たりませんでした。実際に各社の経路がどう変わったかは、別に確かめる必要があります。
結論:規制されたのは収納代行を行う事業者です
- 法律|資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和7年法律第66号)。令和7年3月7日提出、同年6月6日成立、6月13日公布
- 施行日|附則第一条は「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」とだけ書いています。その政令が令和8年政令第172号(2026年5月22日公布)で、条文は一文です。「資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行期日は、令和八年六月一日とする。」
- 経過措置|附則第二条が、施行日から起算して六月間は登録なしで営業を続けられると定めています(期間内に登録を申請した場合は、拒否処分があるまで)。起算すると2026年11月30日までです
- 規制の中身|クロスボーダー収納代行(国境を跨ぐ収納代行)を行う事業者は、内閣府令で定める適用除外に該当する場合を除き、資金移動業の規制が適用される
- 名宛人|事業者です。金融庁のページに、利用者(送金する人)への影響を定めた記載は見当たりません
金融庁は事業者向けにクロスボーダー収納代行に関する相談窓口をメールで開設しています。「具体的にどのようなビジネスが規制の適用対象となるのか」を相談できる、という案内です。利用者向けの窓口ではありません。
収納代行とは、ここでは何を指すか
買う人と売る人のあいだに入って、代金を預かって渡す行為です。国境をまたいで行われる場合が、今回の規制の対象になりました。
海外のブローカーに日本から入金するとき、あるいは出金を受け取るとき、あいだに国内の事業者が入っていることがあります。その事業者が、今回の改正で資金移動業の登録を求められる側になりました。
登録を受けた事業者がどこなのか、受けなかった事業者がどこなのかは、私には確かめられていません。資金移動業者の登録一覧は金融庁が公開していますが、どの経路がどの事業者を使っているかは、ブローカー側の公開情報からは読めませんでした。
この改正は金融庁の警告一覧に載る海外FX業者でも1節を割いて扱っています。あちらは法律と政令の条文、こちらは適用除外の類型と各社の記載状況が中心です。経過措置が切れる2026年11月30日のことは、両方に書きました。
適用除外として定められた類型
すべての収納代行が規制されるわけではありません。金融庁がパブリックコメントへの回答で示した適用除外の類型は、次のものでした。
| 類型 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 銀行等または資金移動業者に受け入れさせ、受取人等に資金を引き渡す行為(その銀行等または資金移動業者が行う為替取引に係る支払の受領として受け入れさせるものに限る) |
| 第3号 | 契約の成立に不可欠な関与を行った者による収納代行。委託販売者として売主を代理して買主と売買契約を締結する場合や、多数の者が参加して取引できるプラットフォームを提供する場合が例として挙がっています |
| 第4号 | 一の会社等およびその子会社等に属する者が受取人となる場合(規制回避目的での債権譲受を除く) |
| 第5号 | 特定決済手段に係る行為。国際ブランドの登録商標が付されているもの、クレジットカード番号等取扱契約に基づく加盟店向け、第三者型前払式支払手段発行者の加盟店向け |
| 第6号 | エスクロー提供者やプラットフォーム提供者からの委託に基づく収納代行 |
読んでいて目に付いたのは第5号です。国際ブランドのカードを使う経路は、適用除外の側に置かれています。カード決済と銀行送金で扱いが違う、という形になっています。
債権者が法人か個人かでは、扱いは変わりません
金融庁の回答では、法人か個人かという区別ではなく、「契約の成立に不可欠な関与」があるかどうかと、使っている決済手段の性質で決まるとされています。
また、資金移動業者が国外の収納代行業者を介して国外のEC事業者の代金決済を取り扱う場合について、個別の決済が100万円以下であれば第一種資金移動業の登録を要しないという考え方が示されています。取引データ等により明確に区分されている場合、という条件が付いています。
一括精算で100万円を超えても、個別決済により発生した100万円以下の取引債権の集合体である限り認可は不要とされています。
各社の入出金ページには、改正への言及が見当たりません
施行から3か月以上たった時点の資料で確かめました。2026年9月に取得して保存してある21社・33本の入出金ページを、「収納代行」「資金決済」「資金移動業」「改正法」「法改正」の5語で走査しました。
結果はゼロ件です。唯一ひっかかったのは TradeQuo の表にある「EFT(電子資金決済)」という決済手段の名前で、今回の改正とは関係がありませんでした。
お知らせのページも見ました。XMTrading の最新情報(2026-10-04に確認)と AXIORY のニュース(同日)には、5語のいずれも見当たりません。Exness はニュースの閲覧にログインが必要で、読めていません。
これは「各社が何もしていない」という意味ではありません。読んだページに書かれていない、というだけです。利用者向けのメールやマイページ内の通知で知らせている可能性は残ります。そこまでは確かめられていません。
ただ、公開されている入出金ページを読んでも、この改正があったことは分からない状態でした。調べた範囲では、そう書くしかありません。
このページで確かめられていないこと
否定形を書く前に、何を開いていないかを残します。
- どの収納代行業者が登録を受け、どの業者が受けなかったか。資金移動業者の登録一覧は公開されていますが、各ブローカーの入出金経路がどの事業者を使っているかが分かりません
- 各ブローカーが、この改正について何を告知したか。XMTrading の最新情報ページ(2026-10-04に確認)には、収納代行・資金決済法・資金移動業のいずれの語も見当たりませんでした。入出金のページは描画後でないと中身が取れず、確認できていません
- 実際に銀行送金での出金が止まった事例があるかどうか。このサイトは被害の有無を調べていません
「出金できなくなる」と書いてあるページを何本か見ましたが、その根拠を条文で示したものは見当たりませんでした。ここに書いたのは条文と金融庁の回答だけです。
銀行の規定とは、別の層の話です
銀行が海外FXへの送金を止めることがあるのは、以前からある話で、こちらは今回の法改正とは別の層にあります。銀行の規定そのものは銀行が送金を止める条項に、5行7本ぶん読んで並べました。
そちらで読んだ範囲では、引き金として書かれていたのは2種類でした。GMOあおぞらネット銀行は「無登録業者への送金や収納代行を目的とした銀行口座の利用はお断りしております」と、公開ページの方針として書いています。
つまり出金が止まりうる場所は、ブローカーの規約・銀行の規定・今回の法改正という3つの層に分かれています。どこで止まったのかによって、確かめる先が変わります。
自分で確かめる順番
- 金融庁のクロスボーダー収納代行の相談窓口のページで、改正の概要と施行日を確認する
- 政令のパブリックコメント結果(令和8年5月22日公表)で、適用除外の類型を原文で読む
- 自分が使っている入出金の経路が、カード決済なのか銀行送金なのか、あいだに事業者が入るのかを確認する
- ブローカー側の入出金ページとお知らせを見て、経路の変更が告知されていないか確かめる
- 銀行側の規定も別に読む。日本の銀行5行の規定を読んだ記録を置いています
ここから何が言えるか
条文を読んだ範囲で言えるのは、規制の名宛人が事業者であることと、適用除外が複数定められていることの2点だけです。利用者が何かを届け出る必要がある、という定めは見当たりませんでした。
ただし、事業者が規制の対象になれば、その事業者を使っていた経路は影響を受けます。そこから先は、各社が実際にどうしたかの話で、条文からは読めません。
出金が止まる場所の全体像は出金の条件に、ブローカーの規約の側は出金を止められると定めている26社にまとめています。
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このページについて
金融庁の公開資料(クロスボーダー収納代行の相談窓口のページ、令和7年資金決済法改正に係る政令の公布およびパブリックコメントの結果)から、2026年10月4日に作りました。条文の要約は私の読み取りなので、必ず原文にあたってください。
私は弁護士ではありません。ここに書いたのは資料に何が書いてあるかだけで、個別の取引が規制の対象になるかどうかの判断はしていません。