最終更新:2026年10月5日

「日本で海外FXは違法ですか」という問いを、検索の候補で何度も見ました。調べていて気づいたのは、この問いが誰について聞いているのかで、答えが変わることでした。

金融庁の公表資料を3本読みました。「違法です」という言葉は確かに使われています。ただし、その主語は業者でした。

先に書いておきます。私は弁護士ではありません。ここに書くのは、金融庁のページに何と書いてあるかだけです。個別の行為が違法かどうかの判断はしていませんし、使うべきだとも使うなとも書きません。

結論:「違法」と書かれているのは、無登録で業を行うことについてです

金融庁の「無登録業者との取引は要注意!!」というページに、この一文があります。

無登録で金融商品取引業や暗号資産交換業を行うことは違法です

主語は、業を行う側です。取引する側を名宛人にした文ではありません。同じページは続けて、無登録業者について「投資者等の保護のための態勢が確保されているか当局では確認できず」と書いています。

この区別が、問いの答えを分けます。業者が登録なしで日本の居住者を相手に業を行えば、それは違法だと金融庁が書いています。では取引した側はどうなのか。そこは、読んだ3本のページには書かれていませんでした。

登録が必要になるのは、どういう場合か

金融庁の「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」に、条件が書かれています。

日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合

会社がどこにあるかではなく、誰を相手にするかで決まる書き方です。海外にある会社でも、日本の居住者を相手方として業として行えば登録が要る、という組み立てになっています。

「いわゆる外国為替証拠金取引について」のページも、「日本に居住する投資者に対してFX取引を業として行うには、金融商品取引業の登録が必要」と同じことを書いています。海外のライセンスを持っていることは、この要件を満たす理由にはなりません。

各社がどこの当局の免許を持ち、日本居住者の契約先がどの法人かはライセンスと登録に並べました。免許を持つ法人と契約先の法人が別だった社が、かなりありました。

利用者について、金融庁は何と書いているか

読んだ3本のページで、取引する側に向けて書かれていたのは次の2点でした。

  • 「無登録業者と取引した場合は、トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です」
  • 「自らの責任で適切な投資判断を行ってください」

もう1本には、無登録の海外所在業者について「業務の実態等の把握が難しく、仮にトラブルが生じたとしても業者への追及は極めて困難」とあります。出金を求めても応じてもらえない、連絡が取れなくなる、といった事例も挙げられています。

罰則の話は、この3本には出てきませんでした。ここで「だから利用者は罰せられない」とは書きません。金融商品取引法の条文を網羅して確認したわけではないからです。確認できたのは、金融庁がこれらのページで利用者に向けて書いているのが、罰則ではなく「追及が困難であること」と「自己責任」だという事実だけです。

この点を正確に知りたい場合は、条文か、弁護士など法律の専門家に当たってください。私の読んだ範囲で言えることには限りがあります。

30社を金融庁の一覧で照合すると、25社が掲載されていました

金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告を行った相手の一覧を公表しています。このサイトで調べている30社の法人名で引くと、掲載があったのは25社、なかったのは5社でした。

掲載がなかったのは TradeQuo・HYCM・NordFX・EBC Financial Group・EMCTrading の5社です。ただし、これは安全の証明ではありません。登記が新しい会社や、日本語で勧誘していない会社は、そもそも一覧に上がってきません。一覧を引いても出てこず、規約からも契約先の法人名が確認できない業者については、契約先の法人名が確認できない4社で4点の資料を追いかけました。

そして掲載があった25社についても、警告された商号と、あなたがいま契約する法人が同じとは限りません。サービス名が同じでも法人が別、という例が複数ありました。照合の結果は金融庁の警告一覧に載る海外FX業者に1社ずつ並べています。

掲載は、違法性が確定したという意味ではありません。警告書を出した時点で無登録営業が確認できた相手の記録です。この読み方は噂を自分で確かめる方法にも書きました。

「違法」「無登録」「規約違反」は、別の層の話です

調べていて、3つが混ざって語られているのに気づきました。層を分けると、確かめる先も変わります。

層 誰についての話か どこで確かめるか
登録の有無 業者が日本の登録を受けているか 金融庁の登録業者一覧と警告一覧
違法かどうか 無登録で業を行うこと。金融庁が「違法です」と書いています 金融庁の公表資料。個別の判断は当局と裁判所
規約違反かどうか 利用者の取引手法など。両建てやスキャルピングはここ 各社の利用規約。禁止されている取引

両建てやスキャルピングは、法律の話ではありません。会社との契約の中の話で、違反したときに動くのも会社です。この区別は禁止されている取引に書きました。

自分で確かめる順番

  1. 金融庁の登録業者の一覧で、その業者が登録を受けているかを引く
  2. 警告一覧でも引く。サービス名ではなく法人名で引きます
  3. その業者の利用規約の前文で、自分の契約相手がどの法人かを確かめる。一覧に載っている法人と違うことがあります
  4. 備考欄を最後まで読む。「当該業者との関係性は不明であるが」に続けて、似た名前の別法人が並んでいることがあります
  5. そのうえで、入出金の経路が2026年6月の法改正の影響を受けていないかも見る

ここから何が言えるか

「海外FXは違法か」という問いには、そのままでは答えられません。誰について聞いているかで変わるからです。

金融庁の資料から言えるのは2点です。無登録で日本の居住者を相手に業を行うことは違法だと書かれていること。そして利用者に向けて書かれているのは、罰則ではなく「追及が極めて困難」であることと「自己責任」だということ。

この2点をもって、使ってよいとも使うなとも書きません。私が確かめたのは、どこに何が書いてあるかだけです。

関連するページ

このページについて

金融庁の公表資料3本(「無登録業者との取引は要注意!!」「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」「いわゆる外国為替証拠金取引について」)を2026年10月4日に読んで作りました。引用は原文の表現です。

金融商品取引法の条文そのものは、網羅して確認していません。ここに書いたのは金融庁のページに何が書いてあるかだけで、法律の解釈はしていません。個別の判断が必要な場合は、法律の専門家に相談してください。