「海外FXの利益は、税務署に伝わるのか」。検索されている言葉を見ると、知りたいのはここです。推測で答えるつもりはありません。国税庁が公開している資料だけで、どこまで言えるかを書きます。
先に断っておきます。私は税理士ではありません。ここに書くのは公開資料に何が書いてあるかであって、個別の判断ではありません。申告の要否や税額は、税務署か税理士に確認してください。
結論:伝わる経路は、少なくともひとつ確実にあります
国税庁の資料で確認できた経路は2つです。そのうち1つは、ブローカーがどこの国にあるかと関係なく機能します。
| 経路 | 誰が出すのか | 私の確認 |
|---|---|---|
| 国外送金等調書(100万円超) | 日本の金融機関が税務署へ | 国税庁の資料で確認 |
| CRS(金融口座情報の自動的交換) | 相手国の当局から日本の当局へ | 件数は確認。相手国の一覧は確認できず |
順番が逆に思われがちです。ブローカーが日本に報告するかどうか、という話ではありません。1つめはあなたが使っている日本の銀行が出します。
経路1:国外送金等調書
国税庁の資料には、こう書かれています。「国外への送金及び国外から受領した送金の金額が100万円を超えるものについて、送金者及び受金者の氏名・住所、取引金額などを記載した調書を、送金等を行った金融機関が税務署に提出するものです」。
根拠は「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」第4条第1項です。条文は金額を直接書かず「政令で定める金額以下のものを除く」としていて、国税庁の資料が100万円超と説明しています。提出の期限は為替取引を行った日の翌月末です。
ここがいちばん大事な点です。調書を出すのはブローカーではなく、日本の金融機関です。ブローカーがセントビンセントにあろうとセーシェルにあろうと、この経路は変わりません。出金が日本の銀行に着いた時点で、経路が存在します。
「海外の会社だから日本に伝わらない」は、この一点で成り立ちません。伝わるかどうかではなく、100万円を超えたかどうかの話になります。
経路2:CRS(金融口座情報の自動的交換)
もうひとつが、国どうしで金融口座の情報を交換する仕組みです。日本は令和4事務年度に、94の国・地域から2,500,664口座の情報を受領しています。提供した側は77の国・地域、651,794口座です。
桁を見てください。200万口座を超えます。これは制度が動いていることを示す数字ですが、あなたの口座が含まれるかどうかは、この数字からは分かりません。
確かめられなかったこと
正直に書きます。日本がどの国・地域から情報を受領しているのか、その一覧を公開資料で見つけられませんでした。
国税庁は「報告対象国」の一覧を公表しています(令和8年報告分)。ただしこれは日本の金融機関が報告する側の一覧で、日本が受け取る相手国の一覧ではありません。方向が逆です。だからこの一覧を「自分のブローカーの国から情報が来るか」の判断に使うことはできません。
つまり、経路2については「あなたのブローカーの国が含まれるか」を私は確認できていません。含まれないと言っているのではなく、公開資料から確定できない、と言っています。
ただ、経路1があるので結論は変わりません。CRSを待つまでもなく、出金は日本の銀行を通ります。
そもそも、いくらから申告が必要か
国税庁のタックスアンサーには、給与所得者で確定申告が必要な人としてこう書かれています。「給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人」。
給与を2か所以上から受けている場合や、給与の年間収入金額が2,000万円を超える人も対象です。
20万円は、利益の額ではなく所得の額です。必要経費を差し引いたあとの数字になります。どこまでが経費になるかは個別の判断なので、ここでは書きません。
自分の場合に何を確かめるか
- 出金をいくら、いつ、どの銀行で受けたか。100万円を超えた回があるかどうか
- 契約している法人がどこの国か。規約に書いてあります。補償基金の対象かに20社ぶんの契約先を記録してあります
- その年の所得がいくらになるか。20万円の線を超えるかどうか
- 迷ったら税務署か税理士に聞く。ここは私が代わりに判断できる場所ではありません
それと、出金そのものが止まる話は別にあります。日本の銀行の預金規定にも、外為取引を制限できる条項があります。銀行側で止まる条項に読んだ条文を置きました。
損が出た年のことも、先に知っておく
利益が出たときの話をしてきましたが、損が出た年の扱いは国内FXとまったく違います。給与とは相殺できず、翌年にも繰り越せません。国内FXなら3年繰り越せるので、ここを取り違えると計算が狂います。
どこから違いが生まれるのかを海外FXの損失は、繰り越せませんに、国税庁の資料だけで整理しました。他の雑所得とは相殺できます。
このページについて
出典は、国税庁レポート(国外送金等調書の説明、CRSの受領・提供件数)、国税庁「F4-1 国外送金等調書」、国税庁タックスアンサーNo.1900、および「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」第4条第1項です。2026年9月19日に確認しました。
制度は改正されます。読み直して変更があれば直し、更新履歴に残します。各社ごとの税金の扱いは、それぞれのブローカー記事に書いてあります。
税金の扱いは、どの会社を使っても変わりません。会社ごとに違うのは規約のほうで、その比較は20社の比較表と4条件を満たした2社にまとめてあります。合格は「おすすめ」という意味ではありません。その理由も、そのページに書いています。