出金で止まるのは、たいてい金額でも日数でもありません。「その方法では出せません」で止まります。

執筆時点で調べた20社について、カードで入金したぶんをどう戻すか、名義が一致しないとどうなるかを記録しました。18社ぶん集まっています。どの社も似た原則を置いていますが、書き方の細かさがかなり違います。

共通しているのは1つです。入れた方法に、入れた金額まで戻す。マネーロンダリング対策として各社が置いているルールで、利益が出ているかどうかとは無関係に効きます。

20社のカード返金と名義の条件

ブローカー カードへの返金・出金方法 名義の条件
AXIORY カード入金が10か月以内の場合、その期間の入金額を上限として最優先でカードに出金。カード入金額を超える分は他の出金方法を使う(入出金方法ページ) 登録名義と一致する銀行口座・カードのみ。出金方法は入金方法と一致させる必要あり。第三者から入金があった場合は返金時の手数料を利用者負担(入出金方法ページ)
XMTrading 記載が見当たりません(入金と出金ページ・取引条件ページを確認) 記載が見当たりません(入金と出金ページを確認)
FXGT 出金は入金に使用した方法と同じカード・eウォレット・銀行口座へ、同じ金額まで。複数手段で入金した場合はそれぞれの手段に入金額まで戻す例が示されている(取引FAQ) 第三者からの入金は受け付けない。名義が一致しない場合は関連性を示す補助書類を求め、認められなければ資金は最初の入金先へ戻される(取引FAQ)
ThreeTrader 記載が見当たりません(日本語サイトに入出金の詳細ページがなく、よくあるご質問にも記載なし) 記載が見当たりません(よくあるご質問を確認)
HFM 公式の出金一覧に上限の記載なし(最低出金額は5ドル) 入金時に使用した同じ決済手段・同じ資金元に返金する方針。入金額が全額返金されるまで他の方法では出金できないと公式FAQに記載
EBC Financial Group 記載が見当たりません(入出金ページ。カード入金は可能だが、カードへの出金ルールの記載なし) 第三者からの支払い・第三者への出金には原則対応しない。第三者による資金提供が疑われる場合、資金を全額返却し本人確認が済むまで口座を凍結する権利があると記載。
Axi 5万ドル(アジア地域の出金一覧) 「出金は、元の入金に使用したのと同じ決済方法で行う必要があり、資金は元の送金元に返されなければなりません」
Tradeview カードと電子ウォレットへの出金は入金額が上限。超過分は同名義の銀行口座へ(出金ポリシー) 不可。第三者からの入金も第三者への送金も受け付けないとAML/CTFポリシーに基づき明記(出金ポリシー)
TitanFX AML規約に従い「入金額まではお客様が入金に利用された方法、または口座への出金」。カードへの出金は入金に使ったカードへ。Titan FXの判断で別の出金方法になる場合ありと明記(出金方法ページ) 記載が見当たりません(出金方法ページ・入出金ページを確認。名義一致の要件は「入金に利用された方法への出金」として表現されている)
BigBoss クレジットカードで入金した場合、クレジットカード枠の現金化目的などを防止する関係上、カード入金額分の出金は原則60日以内は不可(ガイドライン) 第三者からの出金依頼は一切受け付けない。第三者名義で申請された場合は却下される(ガイドライン)
Exness 事前入金のない未認証のカードへの出金は拒否され、カードの認証が求められる(ヘルプセンター General withdrawal rules)。入金額までカードに戻すといったルールの記載は見当たりません 記載が見当たりません(ヘルプセンター General withdrawal rules を確認。日本からは公開ページ・ヘルプセンターともログインが必要)
XS.com —(執筆時点では確認できていません) —(執筆時点では確認できていません)
Vantage Trading 記載が見当たらない 第三者名義の入出金は禁止(入出金ポリシー「Third Party Payments」)。判明した場合は入金の取消し・ポジションの決済・利益の無効化・口座の解約ができる
IS6FX 記載が見当たらない アンチマネーロンダリングポリシーにより、登録の氏名と一致する銀行口座およびクレジットカードでの入金が必要。出金も登録名義と一致する口座に限られる
Milton Markets カード入出金の取扱いは見当たりません 入金と同じ方法で出金する必要があります(ヘルプセンター)
Land Prime 記載が見当たらない ヘルプセンターに「他人名義の口座へ資金を送金できますか?」の項目がある。アンチマネーロンダリングポリシーは英語で公開
iFOREX 入金額まではカードへの返金。返金枠を超える分は銀行口座への出金。カード入金後、一定期間が経過するとカードへの返金ができなくなる場合があり、その際は全額を銀行口座へ出金(資金/出金) 不可。顧客ではない第三者からの入金は受け付けない(第9.2.3項)。利益の出金は本人名義の銀行口座のみ(第9.3.6項)
WeTrade 記載が見当たらない 第三者名義の資金は、コンプライアンスが法的・AML上の根拠を文書で確認して承認した場合を除き認められない(顧客契約 第10条・第11条の間の記述)
EMCTrading 出金先は国内金融機関口座に限定。カードへの出金は不可。カード入金分を入金額まで戻すといったルールの記載は見当たりません(入出金ページ) 出金先の口座名義は登録名義と同一の国内金融機関口座のみ(入出金ページ)
MYFX Markets —(執筆時点では確認できていません) —(執筆時点では確認できていません)

記載のあった場所(入出金ページ・出金ポリシー・AML規約・FAQ など)も記録した文に残してあります。「記載が見当たりません」は、無いという意味ではなく、公開されている文書で確認できなかったという意味です。

入金額を戻しきるまで、別の方法では出せない社

HFMの公式FAQは、順番まで書いています。入金時に使ったのと同じ決済手段・同じ資金元に返金する。入金額が全額返金されるまで、他の方法では出金できない。

これは実務上けっこう効きます。カードで10万円入れて口座が30万円になった場合、まず10万円をカードに戻し終えるまで、銀行送金には進めないという読み方になるからです。

FXGTも同じ設計で、複数の手段で入金した場合はそれぞれの手段に入金額まで戻す、という例まで示しています。Tradeviewはカードと電子ウォレットへの出金を入金額までとし、超過分は同名義の銀行口座へとしています。

カードに戻せなくなる期限がある社

AXIORYは期間を切っています。カード入金が10か月以内の場合、その期間の入金額を上限として最優先でカードに出金。超える分は他の方法を使う、という書き方です。

iFOREXも、カード入金後に一定期間が経過するとカードへの返金ができなくなる場合があるとし、その際は全額を銀行口座へ出金するとしています。

この期限は、カード会社側の返金処理の期限に合わせたものだと思われます。長く置いた資金ほど、戻し先が銀行口座に切り替わるということです。

第三者名義は、ほぼ全社が拒否します

記録できた18社のうち、名義について書いている社はすべて本人名義以外を認めていません。

  • iFOREX|顧客ではない第三者からの入金は受け付けない(第9.2.3項)。利益の出金は本人名義の銀行口座のみ(第9.3.6項)
  • EBC Financial Group|第三者による資金提供が疑われる場合、資金を全額返却し、本人確認が済むまで口座を凍結する権利がある
  • FXGT|名義が一致しない場合は関連性を示す補助書類を求め、認められなければ資金は最初の入金先へ戻される
  • EMCTrading|出金先は登録名義と同一の国内金融機関口座のみ。カードへの出金は不可

家族名義の口座を使う、といった発想はここで止まります。「本人名義でなければ出せない」ではなく「本人名義でなければ入れた時点で問題になる」と書いている社が複数あることに注意してください。

記載が見当たらなかった社

ThreeTraderは、カード返金・名義の条件のどちらも見当たりませんでした。日本語サイトに入出金の詳細ページがなく、よくあるご質問にも記載がありません。TitanFXは名義の条件が独立して書かれておらず、「入金に利用された方法への出金」という形で表現されています。

書いていないことは、ルールが無いことを意味しません。AML対応として実務上は同じ運用をしている可能性が高く、その場合は申請して初めて分かることになります。

まとめ

出金の可否は、金額より先に「どの方法で入れたか」で決まります。カード入金があるなら、そのぶんはカードに戻る。名義が違えば、そもそも受け付けられない。

口座を開く前に確かめるなら、順番はこうだと思います。まず自分が使う入金方法を決め、その方法で戻ってくるのかを読む。日数や手数料を比べるのは、そのあとで間に合います。

日数は出金日数、手数料は出金手数料にまとめています。

この記事は各社の公式ページ・出金ポリシー・AML規約・FAQから取った記録をもとにしています。取得時点は全社比較から各記事で確認してください。規約は3か月に一度読み直し、変更があれば直して更新履歴に残します。

この記事を書いた人

FXと俺|GOLD RESEARCH LAB

ゴールド(XAUUSD)を主戦場に自動売買と裁量を並行して運用しています。海外FXブローカーについては、公式サイトの説明ページではなく利用規約・入出金ポリシー・当局の公開資料といった一次資料を読み、条項番号を添えて記事にしています。出金や約定など自分で確かめられるものは実際に試し、確かめていないことは「確認できていない」と書く方針です。