調査結果の要点
- 契約先:規約に記載が見当たりません
- 足切り:不合格(食い違い3件) 独自評価:41点/100
- EA(自動売買):記載なし / 禁止手法の定義:なし
- 出金日数の開示:あり / 金融庁の一覧:掲載なし
- 注目点:口座開設で同意を求められる「顧客同意書」のリンクが空です。契約先の法人名は規約ではなくリスク開示書にあります。
口座開設のときに同意を求められる「顧客同意書」を、読むことができませんでした。EMCTradingの話です。
同意を求められる文書が何本あり、そのうち何本を実際に読めるのか。そこから調べ直すことになりました。契約する法人はどこか、出金は何日かかると書かれているか、ゴールドの条件はどうか。いずれも公開ページではなく、文書の側から確認しています。確認できないことのほうが多いブローカーでした。
EMCTradingは、日本語サイトを持ち、最大1000倍のレバレッジとゼロカットを掲げる海外FXブローカーです。MT5に対応し、コピートレードとPAMMも提供しています。口座タイプは4種類、最低入金額は1万円。条件だけを並べれば、日本で知られている他社と大きく変わりません。
ここに書いたことは、公式サイトの説明ページではなく、同社が公開している法的文書と、口座開設フォームで実際に提示される文書から拾いました。出どころはすべて示すので、私の要約を信じる必要はありません。原文で確かめられます。
結論:足切り4条件を通りませんでした
足切り基準の判定
基準を満たしていません
- 日本居住者の契約先法人が規約に明記されている契約先法人を規約から特定できていません
- 公開ページと規約・一次資料の間に食い違いがない食い違いが記録されています
- 出金の所要日数を具体的に開示している
- 禁止される取引手法が具体的に定義されている禁止取引手法の定義が確認できません
この判定は入力された調査データから自動で計算されます。基準は調査を始める前に公開したもので、個別のブローカーに合わせて変えることはありません。
先に書いておきます。EMCTradingを危険な業者だと言いたいのではありません。条件だけを並べれば、最大1000倍、ゼロカット、MT5、4口座、最低入金額1万円。日本で知られている他社と大きく変わりません。
私が問題にしているのは1点だけです。同意を求められている文書を、同意する側が読めないこと。それだけで、このサイトがやっている最低限の調査——契約条件を確かめる——が、そこで止まってしまいます。
独自評価は100点満点で41点、足切り基準は4条件のうち3つを満たさず、不合格でした。点数と合否は別物です。点数は条件の良し悪しを測り、足切りは「読者が自分で確かめられる状態になっているか」を測ります。EMCTradingは、その確かめる材料のほうが足りていません。
EMCTradingの契約先はどこの法人か:規約からは確認できず、リスク開示書に EMCTrading Ltd(セントルシア)
先に言葉を整えておきます。「契約先が存在しない」のではありません。「契約先を、規約から確認できない」のです。法人名そのものは、トップページからリンクされたリスク開示書のPDFに書かれています。
誰と契約しているのか
契約先法人とは、口座を開いた利用者が実際に契約する法人のことです。日本語のサイトを使っていても、口座の契約はここに書かれた法人との間で結ばれます
日本居住者の契約先
セントルシア
Risk Disclosure Notice に記載)。同文書にはタイ・バンコクの事務所住所も併記されている。
フッターの表記は「EMC Trading Ltd is incorporated in St Lucia with registration number : 2025-00855」(登記番号)。監督当局の記載は見当たりません
日本から見た位置づけ
出典:利用規約(規約文書が存在しない。口座開設フォームの「顧客同意書」リンクは href が空(2026年9月9日時点でも同じ))/調査基準日 2026-09-11
公式サイトのトップページから、1本だけPDFがリンクされています。Risk Disclosure Notice(2026年8月アップロード)です。そこに法人情報が書かれています。
- 法人名:EMCTrading Ltd
- 登記国:セントルシア
- 登記番号:2025-00855
- 登記住所:Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia
登記番号の頭が2025であることから、2025年に登記された法人とみられます。同文書にはタイ・バンコクの事務所住所も併記されています。
監督当局とライセンス番号の記載が見当たりません
「当社について」ページには、こう書かれています。
EMCトレーディングは規制対象の外国為替CFDプロバイダーです。
出典:EMC Trading 公式サイト(日本語)「当社について」/2026年9月7日確認
口座開設時に提示される文書にも、同じ趣旨があります。
EMC Trading がオフショア当局の認可のもとで運営されており、日本の金融庁の規制の対象外であることをご理解・ご承諾いただいたうえで、お客様ご自身の責任において当社サービスをご利用いただくものとします。
出典:EMC Trading「逆勧誘に関する確認」(口座開設フォームからリンク)/2026年9月7日確認
ところが、どの当局なのか、ライセンス番号は何番なのかが、どこにも書かれていません。Risk Disclosure Noticeにも記載がありません。「規制対象」「オフショア当局の認可」とは書かれているのに、その当局を特定できないため、読者がライセンスの実在を確認する方法がありません。
当局やライセンスの表示をたどれない、という論点は他社にもあります。BigBoss は掲げるコモロのライセンスと、規約上の契約相手が別の国でした。MYFX Markets は掲げるアンジュアンのライセンスが、登録簿で期限切れ。EBC Financial Group は規制を受ける法人と契約先法人が別でした。EMCTrading はその手前で、当局の名前そのものが書かれていません。
最大の発見:同意を求められる「顧客同意書」が、読めません
先に、この節で言っていないことを書いておきます。ここで問題にしているのは「顧客同意書が存在しない」ということではありません。口座開設画面から示されるリンクでは、同意を求められている文書の本文を、事前に確認できなかった。それだけです。社内に文書が存在するかどうかを、私は知りません。
口座開設フォーム(https://my.emctrading.com/ja/register/)には、同意のチェックボックスが2つあります。
- 「顧客同意書に同意します」
- 「逆勧誘に同意します」
2つ目の「逆勧誘」にはPDFへのリンクがあり、読めます。ところが1つ目の「顧客同意書」は、リンクの飛び先が空になっています。HTMLのソースはこうです。
<a href=”” target=”_blank”>顧客同意書</a>
出典:EMC Trading 口座開設フォーム(https://my.emctrading.com/ja/register/)のHTMLソース/2026年9月7日確認、2026年9月11日に同じ状態であることを再確認
画面には「顧客同意書」というリンク文字が表示され、クリックできます。ただし飛び先が空なので、何も開きません。同じ画面のもう一方「逆勧誘」は、クリックするとPDFが開きます。片方は開いて、片方は開かない。2026年9月11日に確認し直しても、同じ状態でした。
公開サイト側にもありません。同社のサイトマップに登録されているURLは全29件です。そのなかに、利用規約・入出金ポリシー・プライバシーポリシーに当たるページはありませんでした(All in One SEOが自動生成したサイトマップを2026年9月7日に確認)。
他社では、契約先法人・禁止取引手法・顧客資金の扱い・出金条件は、すべて利用規約の条項として書かれています。私が他社で条項番号を添えられたのは、その条項が存在するからです。EMCTradingでは、参照すべき条項がありません。
足切り基準の1つ目は「日本居住者の契約先法人が規約に明記されている」です。会社名そのものはリスク開示文書で分かりますが、契約の条件を定めた「顧客同意書」を読むことができないため、この条件は満たしていないと判定しました。
取引条件だけを見ると、特別なところはありません
口座タイプ別の条件
4種類。分かれ目は、ボーナスを取るかコストを取るかです
Standard
Micro
Zero
Zero-M
出典:公式サイト 口座タイプ一覧/調査基準日 2026-09-11
| 口座 | スプレッド | 手数料 | レバレッジ | 取引ボーナス | 1ロット |
|---|---|---|---|---|---|
| Standard | 1.1pips〜 | 0 | 1000倍 | あり | 100,000 |
| Micro | 1.1pips〜 | 0 | 1000倍 | なし | 1,000 |
| Zero | 0pips〜 | 往復6pips | 500倍 | なし | 1,000 |
| Zero-M | 0pips〜 | 往復6pips | 500倍 | なし | 1,000 |
出典:EMC Trading「口座タイプ」ページ/2026年9月7日確認。スプレッドは同社の公表値で、私が実測したものではありません。
4口座、最大1000倍(Zero系は500倍)、ゼロカットあり、ロスカットは証拠金維持率20%以下、MT5、コピートレードとPAMM、最低入金額100USD/10,000円。日本で知られている他社と、並べて特に変わるところはありません。ボーナスを受け取れるのはStandardだけです。
だから、この記事は取引条件の話をしていません。条件だけを見れば普通に見えるブローカーの、その先にある「契約時に何へ同意するのか」を確かめようとして、そこで止まりました。
ボーナスには1点だけ注意があります。FAQによれば、口座間の資金移動でも、一部出金でも、その口座のボーナスは消失します。ボーナス規約そのものは公開されておらず、確認できるのはFAQの記述だけでした。
EMCTradingが公開している文書で知っておくべき3点
利用規約に書かれている、知っておくべき3点
公式サイトの説明ページには書かれていない内容です。条項番号を添えています
| 条項 | 内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 公開文書の範囲 | 公開サイトのサイトマップ全29件に、利用規約・入出金ポリシー・プライバシーポリシーに当たるページがない。読めるのはトップからリンクされた Risk Disclosure Notice 1本だけ | 契約の条件を、口座を開く前に読むことができない |
| 口座開設フォームの「顧客同意書」 | 同意のチェックボックスが2つあり、「顧客同意書」のリンク先が空(href が空文字)でクリックしても何も開かない | 同意を求められている文書を、同意する前に読めない状態になっている |
| ライセンスの記載 | 「規制対象」「オフショア当局の認可」とは書かれているが、当局名もライセンス番号も記載がない | 当局を特定できないため、ライセンスの実在を読者が確認できない |
出典:利用規約(規約文書が存在しない。口座開設フォームの「顧客同意書」リンクは href が空(2026年9月9日時点でも同じ))/調査基準日 2026-09-11
読むべき規約がないため、この見出しは「公開されている文書のなかで、条件と食い違っている点」に置き換えます。私が確認できた食い違いは3件です。
1|「資金は安全に隔離」と「特定の法的保護はない」
FAQには、こう書かれています。
私の資金は安全ですか? ── は信託保全機序を利用して実施しておりますので、資金は安全に隔離されました。
出典:EMC Trading 公式サイト(日本語)FAQ/2026年9月7日確認。原文ママ(主語が欠けています)
分別管理とは、顧客から預かった資金を会社自身の資金と分けて管理することです。信託保全は、顧客資金を信託銀行などに預けて会社の資産と切り離す仕組みで、分別管理とは別のものです。確かめ方は別ページに書いています。
「Commodities」ページには「100% 資金の安全性」という表記もあります。
一方、同社のRisk Disclosure Noticeには、第三者に資金を預けた場合についてこう書かれています。
If any such third party loses any money, fails or goes out of business, there is no specific legal protection that covers the Client for losses.
出典:EMC Trading「Risk Disclosure Notice」/2026年9月7日確認
訳すと「その第三者が資金を失う、破綻する、または事業を停止した場合、顧客の損失を補償する特定の法的保護はない」です。同文書に分別管理についての記載は見当たりません。信託保全がどの受託者との間で、どの法域で設定されているのかも書かれていません。「信託保全機序」「100%」と「特定の法的保護はない」は、同じブローカーの文書として整合していません。
2|出金手数料が「すべて無料」と「2,000円」
「入金・出金」ページの出金表には、手数料の欄に「すべて無料」とあります。ところが同じページのQ&Aには、こう書かれています。
同一月内での2回目以降の出金には2,000円の出金手数料がかかります(中略)入金後の取引が10回に満たない場合の出金には、その都度出金手数料として2,000円が掛かります。
出典:EMC Trading 公式サイト(日本語)「入金・出金」/2026年9月7日確認
同一ページの上下で、条件が食い違っています。
3|「規制対象」と、当局名の不記載
前述のとおりです。「規制対象」「オフショア当局の認可」と書かれている一方で、当局名もライセンス番号も見当たりません。読者が確認する手段がない以上、私はこれを食い違いとして記録します。
EMCTradingの出金は何日かかるか:取引口座は3営業日以内(入出金ページ)
出金は何日で戻ってくるか
| 公開ページの表記 | 1〜3営業日(入金・出金ページの出金表) |
|---|---|
| 入出金ポリシー等の文書 | 取引口座の出金は3営業日以内に出金手続き、IB報酬出金は15営業日以内(入金・出金ページ Q&A)。着金までを保証したものではない。 |
| 私の実測 | 私自身の実測はまだありません。公開されている数字と規約の記載だけを載せています。 |
上の「私の実測」の行に数字が入っているときは、私が実際に出金した結果です。1人ぶんの経験であり、金額・経路・時間帯・混雑状況によって変わります。ブローカーが保証する日数ではありません。
出金の所要日数については、明確な記載があります。この点は評価できます。
出金申請内容に不備がなければ、取引口座の出金に関しては3営業日以内に、IB報酬出金には15営業日以内に出金手続きをさせて頂きます(祝日休日は自動的に延期されます)
出典:EMC Trading 公式サイト(日本語)「入金・出金」/2026年9月7日確認
出金表では処理時間「1〜3営業日」、最低出金額100USD(10,000円)。入金は手数料なし、1分〜30分で反映、21時〜9時の入金は翌朝10時30分までに反映、と書かれています。
ただし、これは同社が着金までを保証したものではありません。文中も「出金手続き」までを指しています。私はまだこのブローカーに口座を持っていないため、実際に何日で着金したかは測っていません。測った時点でこのページに追記します。
口座開設の手順
口座開設の手順と所要時間
| 所要時間 | よくあるご質問に「口座開設後、必要書類のご提出・承認ですぐに取引を開始することができます」とあるのみで、審査に要する営業日数の記載は見当たりません。 |
|---|---|
| 必要書類 | 本人確認書類(求められる書類の種類についての具体的な記載は見当たらない) |
- クイック口座開設を申し込む
- メールを認証する
- 本人確認書類を提出する
- 口座タイプを選んで開設する
公式サイト(日本語)の「口座開設」リンクは2026年9月7日時点で404。実際の口座開設フォームは my.emctrading.com にあり、CRMは FXBackOffice。
この記事に口座開設リンクは置いていません。EMCTrading(イーエムシートレーディング)とは提携していないためです。採点と足切り判定は、提携の有無とは関係なく20社すべてに同じ基準を当てて出しています。
手順は4段階です。クイック口座開設 → メール認証 → 本人確認書類の提出 → 口座タイプを選択して開設。口座管理はmy.emctrading.comで、システムはFXBackOfficeを使っています。
ひとつ実務的な注意があります。公式サイト(日本語)の「口座開設」ボタンのリンク先が、確認した時点で404でした(2026年9月7日)。口座開設フォームはmy.emctrading.com側にあります。
日本語サポートの実務
日本語サイトとFAQは用意されていますが、サポートの対応時間の記載が見当たりません。問い合わせページにあるのはフォームのみです。日本語の文章には、機械翻訳とみられる崩れが複数あります(「は信託保全機序を利用して実施しておりますので、資金は安全に隔離されました」など)。またMT5を提供しているにもかかわらず、取引時間の説明は「MT4時間:GMT+3」と書かれています。
EMCTrading の日本からのアクセス規模:参考値です
判定できませんでした。私が他社で使っている外部の計測サービスでは、このドメインの日本からの訪問数について有効な値が得られませんでした。値が小さすぎて計測されていないのか、計測対象外なのかも区別できません。
規模判定のルールは「訪問数10倍以上の差で断定、3〜10倍で『おそらく』、3倍未満は判定しない」です。数字が取れない以上、規模については何も書きません。「日本人に人気」とも「利用者が少ない」とも書けない、というのが正確なところです。
独自評価 41点の内訳
独自評価
各項目を満点に対する割合で描いています。外側ほど満点に近い形です。
| 評価項目 | 配点 | 採点 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 信頼性・運営情報 | 20 | 5 | 法人名・登記国・登記番号はRisk Disclosure Noticeで確認できるが、利用規約が公開されておらず、監督当局名とライセンス番号がどこにも見当たらない。登記は2025年。 |
| 取引環境 | 20 | 11 | MT5対応、200以上の銘柄、ゼロカットあり、ロスカット20%と明記。一方でスプレッドは公表値のみで、取引時間ページは実質空、MT5提供にもかかわらずFAQは「MT4時間」と記載。 |
| 取引コスト | 15 | 8 | Standard 1.1pips〜/Zero 往復6pips は他社と比べて平均的。ただし私の実測ではなく公表値で、ゴールドのスプレッドは記載が見当たらない。 |
| 入出金環境 | 15 | 6 | 出金3営業日以内の明記は評価できる。ただし手数料の記述が同一ページ内で食い違い、条件次第で2,000円が発生する。 |
| 日本語サポート | 10 | 4 | 日本語サイトとFAQはあるが、対応時間の記載が見当たらず、問い合わせはフォームのみ。機械翻訳とみられる崩れが複数ある。 |
| EA・自動売買環境 | 10 | 4 | MT5でEAは動かせ、コピートレードとPAMMも提供。ただし禁止される取引手法の定義がないため、後から否認されたときに読者が拠りどころを持てない。 |
| ネット上の評判 | 10 | 3 | 日本語の第三者レビュー・苦情・称賛のいずれもまとまった形で見つからず、判断材料がない。 |
| 合計 | 100 | 41 / 100 | |
全ブローカーに同一の配点・同一の観点を適用しています。基準は調査方針をご覧ください。
公開ページと一次資料の食い違い
| 論点 | 公開ページの表記 | 一次資料の記載 |
|---|---|---|
| 顧客資金の保全 | FAQ「信託保全機序を利用して実施しておりますので、資金は安全に隔離されました」/Commoditiesページ「100% 資金の安全性」 | Risk Disclosure Notice「第三者が資金を失う、破綻する、または事業を停止した場合、顧客の損失を補償する特定の法的保護はない」。分別管理についての記載は見当たらない |
| 出金手数料 | 入金・出金ページの出金表「手数料 すべて無料」 | 同ページQ&A「同一月内での2回目以降の出金には2,000円」「入金後の取引が10回に満たない場合の出金には、その都度2,000円」 |
| 規制の状況 | 「当社について」ページ「規制対象の外国為替CFDプロバイダーです」/「逆勧誘に関する確認」「オフショア当局の認可のもとで運営されており」 | 監督当局名・ライセンス番号の記載が、Risk Disclosure Notice を含めどの公開文書にも見当たらない |
20社のなかで、41点より低いのは MYFX Markets の39点だけです。ただしこれは取引条件が特別に悪いからではありません。採点の材料そのものが公開されていないため、確認できない項目を加点できないからです。取引環境やコストの項目では、公表値どおりであれば平均的な評価になります。
評判をどう評価したか
評判を3点とした根拠
- 日本語の情報:「EMCTrading 評判」「EMC Trading 出金」等で検索したが、第三者によるレビュー記事、出金トラブルの報告、称賛の投稿のいずれもまとまった形では見つからなかった(2026年9月7日時点)
- 読み方の注意:海外FX業者のレビュー記事が数多く存在する分野であることを踏まえると、これは「評判が良い」でも「評判が悪い」でもなく、判断材料がない状態
判断:悪い評判が見つからないことを安全の根拠にはできない。10点満点で3点
日本語で検索したかぎり、第三者によるレビュー記事も、出金トラブルの報告も、称賛の投稿も、まとまった形では見つかりませんでした。海外FXブローカーのレビュー記事は数多く存在する分野なので、これは「評判が良い」でも「評判が悪い」でもなく、判断材料がないという状態です。悪い評判がないことを安全の根拠にはできません。
出金3営業日は書いてある。比べる土台の文書がない
出金の所要日数は「3営業日以内」と数字で書かれています。これを書いていないブローカーもあるなかで、明記されているのは評価できます。最低入金額1万円、ゼロカットあり、レバレッジ1000倍という条件も、日本の利用者が求めるものに合わせてあります。
ただし、比較の土台が揃いません。ほかのブローカーでは利用規約が公開されており、契約先法人・禁止取引手法・顧客資金の扱いを条項番号で引用できました。EMCTradingにはその文書がありません。したがって「他社より条件が良い/悪い」を比べる前の段階で止まります。
もうひとつ、このブローカーは金融庁の無登録業者一覧に掲載されていません。私が2026年8月27日更新分の全1,150件を照合した結果です。ここで注意していただきたいのは、掲載がないことは安全の根拠にならないということです。20社のうち18社が、XMTradingもAXIORYもTitanFXも含めて掲載されています。むしろ掲載されているブローカーのほうが、日本で長く営業してきた大手です。この一覧が何を意味し、何を意味しないかは撤退・警告業者の一覧に書きました。
税金の扱い
税金の扱い(海外FX共通)
国内のFX業者と海外のFX業者では、利益にかかる税金の計算方法が違います。ここはブローカーごとの差ではなく、海外FX全体に共通する話です。
| 区分 | 雑所得(総合課税)。国内業者は申告分離課税です |
|---|---|
| 税率 | 給与など他の所得と合算した金額に対する累進課税。国内業者の一律20.315%とは異なります |
| 損失の繰越 | できません。国内業者は最長3年繰り越せます |
| 他社との損益通算 | 海外FX同士は通算できますが、国内業者の損益とは通算できません |
| 確定申告 | 給与所得者は年間の利益が20万円を超えると申告が必要です |
具体的な税額や申告の可否は所得状況によって変わります。判断に迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。
EMCTradingのよくある疑問
EMCTradingに利用規約はありますか
公開サイトの全20ページ、および口座開設フォームのいずれにも、利用規約(Client Agreement)は見当たりませんでした(2026年9月7日確認)。口座開設フォームからリンクされている文書は「逆勧誘に関する確認」の1枚です。
EMCTradingはどこの国の会社ですか
Risk Disclosure Notice によれば EMCTrading Ltd、セントルシア登記、登記番号 2025-00855 です。同文書にはタイ・バンコクの事務所住所も併記されています。
金融庁の無登録業者一覧に載っていますか
載っていません(2026年8月27日更新分の全1,150件を照合)。ただし私が調べた10社のうち8社は掲載されており、掲載の有無で安全性は判断できません。
EAやスキャルピングは使えますか
MT5を提供しているためEAは動かせますが、禁止される取引手法の定義が公開文書に見当たらないため、可否を確認できません。
出金は何日かかりますか
「取引口座の出金に関しては3営業日以内に出金手続き」と記載されています。私はまだ口座を持っていないため、実際の着金日数は測っていません。
調査結果
同意を求められる文書のうち、何を読めて何を読めなかったかを記録しました。読めなかった文書の中身については、書いていません。
推測で埋めた箇所はありません。
このページの判定は、絶対的な評価ではありません。上の調査基準日の時点で公開されていた一次資料(ブローカー自身が公開している利用規約・顧客契約・入出金ポリシー・ボーナス規約などの原文と、当局の公表資料)をもとにした、私の記録です。公開情報は変わります。規約は3か月に一度読み直し、変更に気づいた時点で記事を直して更新履歴に残します。
EMCTradingは、レバレッジ1000倍・ゼロカット・最低1万円・MT5対応と、日本の利用者に向けた条件を揃えています。出金の所要日数を数字で明記している点も、書いていないブローカーがあるなかでは評価できます。
一方で、利用規約が見当たらず、監督当局とライセンス番号も特定できません。口座開設時に示される文書は「逆勧誘に関する確認」の1枚で、そこには「勧誘、マーケティング、あるいはプロモーション等を一切受けることなく、ご自身の意志および判断に基づきアクセスされたものとみなされます」と書かれています。何かあったときに何を根拠に主張できるのかを、いまの公開情報から組み立てることはできません。
不合格という結果を、危険な業者という意味に読み替えないでください。確かめたのは記載の整合性であって、実際に被害が出たかどうかではありません。口座を持っている読者に解約をすすめる話でもない。ただ、足切り基準に照らすと、読者が自分で確かめられる状態になっていないと判断しました。
基本情報
| 英文ブランド名 | EMCTrading |
|---|---|
| 検索用タイトル(title タグ) | EMCTradingの評判・出金・安全性|規約で独自調査 |
| 公式サイトURL(日本語) | https://emctrading.com/ja/ |
| 設立年 | 2025年(登記番号 2025-00855 より) |
| 契約先法人の登記番号 | 2025-00855(セントルシア) |
| 契約先の監督当局 | 記載が見当たらない |
| 契約先を監督する当局の水準 | 不明 |
| 契約先のライセンス番号 | ライセンス番号の記載なし。フッターの表記は「EMC Trading Ltd is incorporated in St Lucia with registration number : 2025-00855」(登記番号)。監督当局の記載は見当たりません |
| 契約先の登記住所 | Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia(Risk Disclosure Notice に記載)。同文書にはタイ・バンコクの事務所住所も併記されている。 |
| 日本居住者が投資家補償基金の対象か | 不明 |
| 契約先カードの注意書き(読み違えやすい点) | 「当社について」ページは*「規制対象の外国為替CFDプロバイダー」*と書き、口座開設時の文書も「オフショア当局の認可のもとで運営」と書いています。ところが*どの当局なのか、ライセンス番号は何番なのかが、どこにも書かれていません*。Risk Disclosure Notice にも記載がありません。読者がライセンスの実在を確認する方法がない、ということです。 |
日本市場
| 金融庁 無登録業者一覧への掲載 | なし |
|---|---|
| 日本語サポートの対応時間 | 記載が見当たらない |
| 日本人スタッフ | 不明 |
| 規模についての判定 | 日本からの訪問数について有効な値が得られなかったため、規模の判定は行わない。「日本人に人気」とも「利用者が少ない」とも書けない。 |
取引環境
| 口座タイプ | Standard/Micro/Zero/Zero-M の4種類 |
|---|---|
| 口座カードの副題 | 4種類。分かれ目は、ボーナスを取るかコストを取るかです |
| 口座タイプ別の条件(カード) | 口座名 | スプレッド | 取引手数料 | 最大レバレッジ | 取引ボーナス | 1ロット Standard | 1.1pips〜 | +0 | 1,000倍 | +あり | 100,000 Micro | 1.1pips〜 | +0 | 1,000倍 | !なし | 1,000 Zero | +0pips〜 | !往復6pips | 500倍 | !なし | 1,000 Zero-M | +0pips〜 | !往復6pips | 500倍 | !なし | 1,000 |
| 口座カードの注意書き(選び方の分かれ目) | *ボーナスを受け取れるのは Standard だけ*です。最低入金額はどの口座も100USD/10,000円、ロスカットは証拠金維持率20%以下、ゼロカットありと明記されています。1000倍が適用されるのは Standard と Micro で、*Zero 系は500倍*。銘柄でも変わり、株式CFD 50倍、CFD 100倍、仮想通貨は数量で200倍→100倍→50倍と下がります。公表値であって、私が実測したものではありません。 |
| 最大レバレッジ | 1000倍(Standard・Micro)/500倍(Zero・Zero-M)。株式CFD 50倍、CFD 100倍、仮想通貨は取引数量5ロット未満200倍・5〜10ロット100倍・10ロット以上50倍 |
| ロスカット水準 | 証拠金維持率20%以下 |
| マージンコール水準 | 記載が見当たらない |
| 最小取引単位 | 0.01ロット(コモディティのページ。銘柄別ではなく全般の最小取引単位として記載) |
| 1取引あたりの最大数量 | ポジションごとの最大ロット数10、最大保有100ポジション(口座タイプ比較ページ) |
| 取扱銘柄数 | 200以上(公表値) |
| プラットフォーム | MetaTrader 5 |
| 口座通貨 | USD/JPY |
| 約定方式 | 記載が見当たりません(口座タイプ比較ページ。STP/ECN/NDD等の表記なし) |
コスト
| EURUSD 平均スプレッド | EURUSDの数値は記載が見当たりません。表記は口座タイプごとの「1.1〜」「0〜」のみ(口座タイプ比較ページ) |
|---|---|
| XAUUSD 平均スプレッド | Commodities ページと Forex ページに、口座タイプ別の数値。Zero口座 1.5 pips/Standard・Micro口座 2.6 pips |
| 取引手数料 | Standard・Micro は0。Zero・Zero-M は往復6pips |
| スワップフリー | 記載が見当たらない |
| GOLD 1ロットのコントラクトサイズ(契約サイズ) | 記載が見当たりません。コモディティのページに最小0.01ロットの記載があるだけで、契約サイズの表記はありません。 |
EA・自動売買
| EAの使用(公式FAQ) | 記載なし |
|---|---|
| スキャルピング(公式FAQ) | 記載なし |
| スキャルピング(規約側) | 未確認 |
| 両建て | 記載が見当たらない |
| 禁止取引手法が具体的に定義されているか | されていない |
| 禁止取引手法の内容(条項番号つき) | 利用規約(顧客同意書)を読むことができず、禁止される取引手法の定義を確認できない。口座開設フォームには「顧客同意書に同意します」というチェックボックスがあるが、その文書へのリンクは href が空で開けない(2026年9月7日確認)。読める文書は「逆勧誘に関する確認」1枚のみ。 |
| 知っておくべき3点(カード) | 公開文書の範囲 | 公開サイトのサイトマップ全29件に、*利用規約・入出金ポリシー・プライバシーポリシーに当たるページがない*。読めるのはトップからリンクされた Risk Disclosure Notice 1本だけ | 契約の条件を、口座を開く前に読むことができない 口座開設フォームの「顧客同意書」 | 同意のチェックボックスが2つあり、*「顧客同意書」のリンク先が空*(href が空文字)でクリックしても何も開かない | *同意を求められている文書を、同意する前に読めない*状態になっている ライセンスの記載 | 「規制対象」「オフショア当局の認可」とは書かれているが、*当局名もライセンス番号も記載がない* | 当局を特定できないため、ライセンスの実在を読者が確認できない |
| 3点カードの注意書き(実務上どう受け止めるか) | これは「規約が存在しない」という指摘ではありません。*公開されている範囲では読めない*、という指摘です。サイトマップの全URLと登録フォームまで確認したうえで書いています。口座を開く前に契約の条件を読みたい人には、この一点がいちばん重く効きます。 |
| VPS | 記載が見当たりません(口座タイプ比較・入出金の各ページを確認) |
入出金
| 入金方法 | 手数料なし。最低10,000円/100ドル。反映は1分〜30分。9:00〜21:00の入金は30分〜1時間、21:00〜9:00の入金は遅くとも翌朝10:30までに反映と記載。 |
|---|---|
| 出金方法 | 出金表に「すべて無料」と記載。最低出金額100USD(10,000円)。処理時間1〜3営業日。 |
| 出金手数料 | 出金表は「すべて無料」。同ページQ&Aは「同一月内2回目以降は2,000円」「入金後の取引が10回未満の出金は都度2,000円」。同一ページ内で食い違う。 |
| 出金所要日数(公開ページの表記) | 1〜3営業日(入金・出金ページの出金表) |
| 出金所要日数(入出金ポリシー等の文書) | 取引口座の出金は3営業日以内に出金手続き、IB報酬出金は15営業日以内(入金・出金ページ Q&A)。着金までを保証したものではない。 |
| カード出金の上限 | 出金先は国内金融機関口座に限定。カードへの出金は不可。カード入金分を入金額まで戻すといったルールの記載は見当たりません(入出金ページ) |
| 第三者名義の扱い | 出金先の口座名義は登録名義と同一の国内金融機関口座のみ(入出金ページ) |
| 出金所要日数(私の実測) | 私自身の実測はまだありません。公開されている数字と規約の記載だけを載せています。 |
口座開設
| 本人確認に必要な書類 | 本人確認書類(求められる書類の種類についての具体的な記載は見当たらない) |
|---|---|
| 口座開設の所要時間 | よくあるご質問に「口座開設後、必要書類のご提出・承認ですぐに取引を開始することができます」とあるのみで、審査に要する営業日数の記載は見当たりません。 |
| 口座開設時の注意点 | 公式サイト(日本語)の「口座開設」リンクは2026年9月7日時点で404。実際の口座開設フォームは my.emctrading.com にあり、CRMは FXBackOffice。 |
規約
| 確認した規約の版数・改訂日 | 規約文書が存在しない。口座開設フォームの「顧客同意書」リンクは href が空(2026年9月9日時点でも同じ) |
|---|---|
| 休眠口座手数料 | 規約文書が存在しないため確認できません。入出金ページには「入金後の取引が10回に満たない場合の出金には、その都度出金手数料2,000円」との記載あり |
| 休眠手数料が事前に開示されているか | 未確認 |
| 規約改訂に顧客の事前同意が必要か | 未確認 |
| 利益取消・取引無効化の条項 | 記載が見当たらない |
| ボーナス規約の要点 | ボーナス規約は公開されていない。FAQに「口座間で資金を移動すると移動元口座のボーナスは消失(入金後に取引がなく全額移動する場合を除く)」「一部出金・全額出金のいずれでもその口座のボーナスは消失」との記載のみ。 |
調査・開示
| 調査基準日 | 2026-09-11 |
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監視について、正確に書いておきます。EMCTradingで自動取得できているのは口座開設フォームの1ページだけです。公式サイト側はHTTP 403で弾かれ、食い違いの根拠にした入金・出金ページやFAQは、そもそも自動監視の対象に入れられていません。「自動で監視しています」とは書けないブローカーです。必要なときに手で開いて確認します。
金融庁の一覧への掲載は、採点にも足切りにも使っていません。掲載状況そのものは一覧のページに、基準の考え方は調査方針にまとめてあります。
この記事は2026年9月7日に取得した一次資料に基づいています。規約は3か月に一度読み直し、変更があれば記事を直して更新履歴に残します。
今回いちばん大きかったのは、同意を求められる文書を、同意する側が読めないという点でした。条件の良し悪し以前の話です。
出典
- EMC Trading 公式サイト(日本語)「当社について」
- EMC Trading 公式サイト(日本語)「口座タイプ」
- EMC Trading 公式サイト(日本語)「入金・出金」
- EMC Trading 公式サイト(日本語)「FAQ」
- EMC Trading「Risk Disclosure Notice」(公式サイトからリンクされるPDF)
- EMC Trading「逆勧誘に関する確認」(口座開設フォームからリンクされるPDF)
- EMC Trading 口座開設フォーム(my.emctrading.com/日本語)の同意チェックボックスとリンク
- EMC Trading サイトマップ(All in One SEO 生成、全29URL)
- 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)」2026年8月27日更新分(全1,150件を照合、掲載なし)
- EMCTrading「よくあるご質問」
- EMCTrading コモディティ(最小取引単位・口座タイプ別スプレッド)
- EMCTrading 口座タイプ比較
- EMCTrading 入出金(手数料・名義・所要日数)
調査基準日:2026-09-11 / 取引条件・規約は予告なく変更される場合があります。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
外国為替証拠金取引は、為替相場の変動により損失が生じるおそれがあります。レバレッジをかけた取引では、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性もあります。本記事は調査結果と事実の記録であり、特定のブローカーでの口座開設や取引を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
本記事に記載した内容は調査基準日時点で確認できたものです。取引条件や規約は予告なく変更される場合があるため、実際のご利用前に必ず公式サイトと利用規約の原文をご確認ください。




















