今回はFXトレーダーならほとんどの方が一度は聞いたことがあるであろうFX界隈における『聖杯』伝説についてお話します。
聖杯とはナンゾヤ!?聖杯伝説のはじまり
そもそもこの聖杯という言葉はキリスト教を発祥とし生まれたもので、宗教的儀式に用いられる杯のことを指すようです。
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』にも描かれているものだとか・・・。
この杯が何やら神秘的かつ不気味な魔法のアイテムといった存在になったのは、イエス・キリストがゴルゴダの丘で磔になりロンギヌスの槍で処刑された際に体から滴る血をこの杯が受けたからだと言われています。
それ以降、この杯を手にし注がれた飲み物を飲み干すと完全無敵な力が手に入るといった聖杯伝説がスタートしました。
イエス・キリストは神なのだから、杯に神の力が宿りそのように信じられても、まあおかしくはありませんよね。
この聖杯については、円卓の騎士による旅物語や映画『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』などで登場してくるのでご存知の方も多いはず。
日本で言うところの『妖刀村正伝説』のようなものでしょうか!?
村正の場合、徳川家に災いをもたらすというアイテムなので少し違いますが・・・。
この特別な力をもった聖杯という言葉の意味が、現代のFXという投資の世界において神の力を借りたような、決して負けることのない無敵のトレード手法に比喩され置き換えられたことから、FXトレーダーの中でも誰しも憧れる有名な言葉として認知されているのでしょう。
FXにおける聖杯は存在するのか?俺のミカタ
私が、FXにおける聖杯の定義を『100%の勝ち』とした場合、基本的にこう考えています。
『聖杯はない』けど『聖杯はある』。
ええ、どういう意味!?
なにそれ!?
って思われるでしょうね。
FXに聖杯はないという『FXと俺』のミカタ
端的に言って、私は多くのFXトレーダーが期待する『必ず勝てるトレードスキル』や『必ず勝てるトレードロジック』などといったものは存在しないと考えています。
スキルやロジックと言った観点で考えた場合、聖杯はありえません。
私の場合、このようなものを求めてもいませんし必要ともしていません。
依存し過ぎると帰って悪影響になると分かっているからです。
例えば、短期MA(移動平均線)が中期MAを突き抜けるチャートの形状、いわゆる『ゴールデンクロス』が発生しエントリーチャンスだったとしても、それは単に優位性が高いトレードであって100%勝てるトレード手法ではありません。
勝てる場合もあれば、実はそれは騙しであって、結果的に負けることもありますよね。
勝てる確率が高いトレード手法はたくさん存在していてそれ自体を否定するつもりはありませんが、勝率が100%でない以上はFXトレードにおいて聖杯とは呼べないでしょう。
優位性の高い手法を用いてトレードして行くことは紛れもなく重要なことですが、優位性を求めるが故に、表示されたチャートがごちゃごちゃしていて何を見たら良いのか分からなくなった事ってありませんか?
別の記事『FX相場のリズムと勝つために個人投資ができること』において、私は『物理的に相場を動かす原理としては単純なもので、強い方が勝ちその場の流れをつくる。』とお伝えしました。
一方で『優秀な為替ディーラーほど頭の切り替えが恐ろしく早く、相場を動かすパワーのあるこの手の人種が超短期で注文を繰り返すことが更にトレードの難易度を上げている』ともお伝えしました。
FX相場を動かす原理は単純ですが、FX相場に参加しているプレイヤーのポジショニングが短期間のうちに入れ代わり立ち代わり変化し正確に把握できない以上、数理的なテクニカルロジックだけでは100%の答えを導くことは不可能であるのが現実であると思います。
この現実をFX相場の前提としてしっかり認識しておくべきです。
まして、自動売買などのEA(エキスパート・アドバイザー)に依存したトレードは必ず失敗してしまいます。
現在の科学技術を持ってしても特定のロジックだけで、相場のリズムに乗り続けるということは不可能でしょう。
ただし、相場を動かすパワープレイヤー達は、現在部分的にAIを使いトレードしています。
長期足や超長期足において相場が売られ過ぎや買われ過ぎた場合、機械的に順張り逆張りの大きな注文が入っています。これはまさしくAIの仕業だと私は思っています。
運用スタイルが様々なのでそのトレードの本意はわかりませんが、FX界においても、人工頭脳という厄介な者が参入して来ているのも事実ですね。
FXに聖杯はあると言う『FXと俺』のミカタ
ここからは、FXに聖杯はあるというお話をします。
私は、FXにおける聖杯の定義を『100%の勝ち』と定義づけしましたよね。
聖杯がないというのは、トレードに関するスキルやロジックといった数理的根拠により導かれる手法については、聖杯はありえないというものです。
では、どのような場合において聖杯はありえるのか!?
その答えは、このブログのトップページに私のメッセージの一部として載せていたんですよ。
『資金に対する自分の考え方』と『時間軸の管理』
これです。
なにそれって!?思うかもしれませんね。
勘の良い方ならなんとなく・・・かも。
私がFXに聖杯はあると言える根拠は、スキルやロジックにはなくて、経過していく時間にポイントをおいたトレードのスタイルにあります。
話は意外と簡単で、仮に資金100万円で100万円分のドル円をロングしたとします。
少し時間が経ち相場が円安に進んだなら、利益を確定すればそのトレードは勝ち。逆に円高に進み含み損が発生していても、時間が経てば必ずプラスになり利益を確定できる時が来るでしょう。
このトレードに聖杯はあるでしょう。
要はこの『時間』が大切なのです。
この時間に短いか長いかの違いはありますが、自分が望む結果まで待つことができたなら最終的に時間が自分の求める答えを出してくれます。
これが『時間軸の管理』です。
そうりゃそうですよね。
この場合、レバレッジはゼロなんだから。
そうです。この場合、レバレッジがないという事実はリスクを取らずにトレードしていることです。
すなわち『時間軸を管理する』ということは『リスクを管理する』ということなのです。
投資の原理
しかし現実的に考えて、このトレードスタイルでは資金力が無いと成立しないじゃないか!
これがトレードとして言えるのか!?
そう思われるでしょう。
そうです。その通りです。
我々のような個人投資家にとってはまさに非現実的なトレードスタイルですよね。
ただ、本当の大口投資家というのはこのようなトレードスタイルで資金を運用しています。
そもそも、そのような人々はリスクを取る必要なんてないんですよね。
これが投資の原理なのです。
背負うべきリスクはロットではなく時間だということ
だから一般的な投資家にとって必要になるのが、『資金に対する自分の考え方』=『自分はどれだけリスクを取ったトレードができるのか』です。
FXトレードでレバレッジをかけるということは、ポジションをキープするには必ず時間的に制約がかかるという事実を知っておかなければいけません。
ほとんどのトレーダーがレバレッジをかける際に意識するのは、エントリーロットの大きさです。
なるべくリスクなく、ロットを上げてそれなりのリターンを期待してしまうのは当たり前のことですが、そこばかりに目が行き、背負うべきリスクの計算を後回しにしてしまう。
故に最終的には資金が溶けてなくなってしまう。
そんなことありませんか?
FXに聖杯があるという私の考え方は、あまりにも当たり前すぎて単純なもののように受け取られるかもしれません。
しかし、この根本的な原理を理解し意識しFXトレードに生かしているケースは少ないのではないでしょうか。
FXで負けないトレードとはどのようなものなのか。
真のリスクとは一体何なのか。
負けると言う結果はその前に時間と言うリスクが先に存在しています。
時間を味方につけたトレードスタイルは最強です。
聖杯に対する私の考え方があなたのトレードとトレード検証の参考になれば幸いです。
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